新しいコック

毎年のように息子夫婦はパキスタン料理以外も作れるコックを探すのだが、なかなか気に入ったコックには当たらない。というかオバハンの御メガネに適うような「人」は、このパキスタンでは皆無だ。なにしろ食材に対する価値観が根本的に違う。オバハンは琵琶湖の下流で1700万人が暮らすからと、環境問題に真剣に取り組んでいた数十年もの昔の滋賀県で暮らしていた。だから大昔から水を汚染しないこと、生ごみを出さないこと等々をド真剣・クソ真面目に今も実践している。その上、生まれもっての超もったいながり・近江商人の末裔は始末屋でもある。そんなオバハンと食材を平気で無駄にする(米でも豆でも、野菜でも流しの排水溝が詰るほどに流し)捨てるパキスタン人がオバハンの神経に触らないわけはない。で、コックを雇っても大概が試用期間でアウトになる(アウトにする)し、中には1日で「もう結構です」という人もある。1週間前に来たのは髭モジャモジャ・オーデコロンだか何だか5m離れていて息苦しいほどの匂いを撒き散らし、汚いジーンズで清潔感ゼロ(オバハンも常にボロ着だが本人的にはきれいなつもり)そのコック、庭にいても換気扇からの「匂い」が外まで蔓延・・いやいや凄まじかったな!おまけに使っていないにもかかわらずガスは全開・火ぼうぼう、真夏ならキッチン内の室温は45℃超えになるのは確実だ!でかいレストランではあるまいに・・5人分の家庭料理を作るくらいの手間暇、どれだけ時間がかかるというのか!!だが、パキスタン人はいちいち点火する僅かな手間暇さえも面倒がる。圧力釜の使い方も根本的に間違っている等・・いちいち論い出したらキリが無い。1ヶ月前に来たのは髭モジャ・オーデコロンは無かったが、とにかく包丁音をガツガツ・ごんごん騒がしく、かつ僅かな手間暇を惜しむのは同じでオバハンのイライラは募った。
で、コックを雇うのを止める代わりに、今いるスタッフ2人に料理を教えることになった。コックではないが物すごく美味しいパキスタン料理を作れるスタッフで「舌が良く」すでに1年余いるのでオバハンの細かさもある程度は理解している。米粒もパン屑も小鳥やカラスたち用にと取り置けるから、1から教えなくても済むことが多い。なによりも「新たにコックを雇う費用分をスタッフたちの給料に上乗せしてやる」と言ったから、仕事に対する意欲的さが半端ではなくなった・・チト余所では貰えないくらいの給料になったものな。で、この3日間はお嫁ちゃんや子供たちの好きなイタリアンを中心に。きょうはビーフストラガノフを、明日は餃子を教えることになった。合間に日本食も作るし明日は海苔巻きも作るのだが、2人とも、キッチンで眼を皿のようにして取り組んでいる!!「これでもか!」というくらい!!