昼の豆カレー

パキスタンへ来た40年前、食べていくためにと一等最初にしたのは、日本からの登山客を泊める「民宿シルクロード」を開いたことだ。幸いなことに40年前には、日本人を相手に「民宿」なるものを開く物好きな日本人はなく、「何でもトライ!」というオバハンの性格もあって、翌年からはテレビなど等、報道の仕事まで舞い込んだ。 お金を頂戴した上に、パキスタンのことをいろいろ勉強させて頂けるという、稀有な幸運に恵まれたとも言える。好奇心のみで生きているオバハンにとっては、ピッタリな生きざまになった。     
その民宿シルクロードでは当初コックを雇ったが、せっかちなオバハンの感覚からすれば想像を絶するスローな仕事ぶり。これぞ!と思うコックに行き当たらず、2ヶ月間で7人のコックを雇い(それぞれに得意なパキスタン料理を作らせ、オバハンもしっかりパキスタン料理を学んだ)が、結局は自分でするのが一番早く、かつ無駄がないと悟ったわ。しかし民宿シルクロードだけではなく「きまぐれ亭」なるレストランを開けばコックも必要で・・そのスローな仕事ぶりにも懲りず、40年間でどれだけのコックを雇ったことか! 10日ほど前から来たコックは20数番目になるかもしれない。     
きょうの豆カレー、横目でチラチラ観察。スパイスの中で柔らかく煮あげ、仕上げに2カップ半の油の中で玉ねぎ、にんにくをきつね色に揚げて、煮あげた豆の中にそれ等を全部、流し込んだ~~ 昼食だけで1人頭83㏄の油ではないの見ているだけで胸やけしそうだわ。   
パキスタン人の多くは早婚、特に田舎では生まれた子供たちが20歳になる40歳半ばには早々と引退もどき。軍からの退役も47歳くらいではなかったかな。まぁ、あの食事では長生きは出来んね。もっとも長生きするのが良いとは限られていないが。