当分は、トラウマになりそう…。

2007年07月12日の便り(2)より
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時事通信や読売新聞など、幾つかの新聞社がラール・マスジッドを「赤いモスク」と表現している。新聞社によってはラール・マスジッド・モスクと書いているものもある。些細なことだが、オバハンたち地元民にとっては気になってしょうがない。記者によっては「赤いモスク」と表現することに、何か意味を持たせているのだろうか?

ラール・マスジッドを英語表記すれば、Red Mosqueとなる。
しかしラール・マスジッドは地元民にとっては固有名詞(通称)だ。その昔、赤土のレンガで建設され、壁が赤っぽかったことから付近の人が判りやすい目印のように「ラール(赤)・マスジッド(モスク)」と言いだし、それが固有名詞になった。我々日本人は、ナントカ遺産候補の「清水寺」を「クリーン・ウォター・テンプル」とは言わンでしょ。

さて、政府当局は本日ようやく事件の現場となったラール・マスジッド、そして神学校(マドラッサ)の内部を報道陣に公開した。地元TVは普段から生々しい現場を平気で映す。それから思うと、血糊の後などを見逃すはずもないが、それらは少ない。
日本の報道では「おびただしい数の弾痕や焦げた跡が残り」と表現しているが、双方の銃撃音からすれば、それらは思っていたよりは少ない。

また、軍がマスジッド側から押収したとする武器、弾薬が山積み公開されたが、物凄く不自然に思えた…。地雷、迫撃砲弾、カラシニコフ銃、トカレフ、手投げ弾など、日常的に貯蔵していたにしては不自然なほどの数だった。あれだけの武器弾薬があれば、最終段階での反撃はもっと可能だった。どう見ても、昨日、軍が急遽運び入れ、「こんなに武器弾薬を持っていたテロリストたちなので、掃討はやむを得なかった」と言いたいとしか見えない。

首相は報道陣に対して、「過激主義や戦意をあおるマドラッサは、強行に取り締まる」と言ったそうだが、今のやり方ではマイナスの結果しか出ないような気がする…。

風が吹き、ドアや窓がドカ~ンと音たて閉まると、爆撃音かと心臓がドキンとする。
当分はトラウマとなりそうだ。