記事、差し止め

戦前の日本には「新聞紙法」とやらがあって、新聞は検閲の対象となっており、軍や政府は記事の差し止命令や、写真の不掲載といった措置を取ることが出来た。
9日の英字新聞、ヘラルド・トリビューン国際面のニュースには、パキスタン政府の検閲が入ったとかで、戦時中の日本の新聞のように、縦15㎝横23㎝余が記事ナシ白紙(記事差し止め命令につき、記事ナシで発行するの意が明記されている) もっとも紙面3分の1くらいには、フランスの風刺週刊紙本社が銃撃され、死亡した12人の写真が載っているから、それに関する記事だとは分かる(ネットでは本文が読める)
この差し止め記事に関しては、ニュースに刺激され、パキスタン国内でも不穏なことに発展しないようにという、政府の配慮だと想われるから、戦前の日本の検閲とは事情が少し異なるとは言え、国内治安がさらに悪化するようで落ち着かない。


アフガンに関するニュースは、見出しを見るだけだが毎日、忘れずにチェックをする。
約4年半、600日も滞在したアフガンには気にかかることが、まだ幾つも残っている。 アフガン難民を支える会(SORA)の活動は、米軍の誤爆によって家族8人を殺され、未亡人になってしまったオリファへの支援(女性たちが集まって縫製の内職を出来る場所)しか残っていない。しかし約600日間の滞在で知り合った人たちの、その後が気にかかり続ける。

国連難民高等弁務官事務所が昨日、内戦が続くシリアからの難民数が300万人を超え、アフガニスタン難民の270万人を上回ったと報じていたが…… アフガンへのロシアの侵攻、その後、タリバーン政権を逃れてパキスタンやイランへ難民として逃れた人たちは、確か600万人とも700万人とも言われ、過去の記録にも残っている。
また、毎年のようにアフガンに作付けされるケシ栽培(アヘンやヘロインの原料)が、これも国連の発表によれば過去最高記録だとか、数値を上げて最大の生産量だとか云々と報道されるが…… この15年、国連発表の記録を残しているオバハンからみれば、納得の行かない報道が続く。
いったい何年度を基準にして作付面積が最大であったり、生産量が最大であったりするのか、まったく判断が付かない。分っているのは、世界で生産されるアヘンやヘロインの80~90%がアフガン産ということくらいであろうか。
近年の報道関係者は過去の記録を見ずに、国連だとか政府の発表をそのまま報道すれば良いとしか思っていないのかなぁ…