不法滞在の外国人を国外追放する

約10日前、パキスタン政府は「不法滞在の外国人に対し厳しい措置を取り、10月3日から捜査に入り、不法移民も11月1日までにパキスタンを出国しなければ国外追放する」と。パキスタンには約110万人の不法滞在者があり、不法滞在の外国人によって深刻な安全保障上の脅威(テロの増加など)にもなっており、首都における街頭犯罪の急増は、不法アフガン人の流入とも関連しているとも。この2年近くは諸物価の驚異的な高騰、給与は殆ど上がらず、働く場所も無いという中では、不法滞在者だけではなくパキスタン人にも犯罪を犯す機会は増大しているだろう。不法滞在者の多くは犯罪行為に関与しているだけでなく、テロ支援もあって2023上半期だけで271件の過激派攻撃が発生して昨年比79%の急増。また密輸にも関与しており、特にパキスタンからアフガンへの違法なドル取引では(ドルの現物が国境を越えてアフガンへ持ち出し)の取り締まり、さらには国境を越える密輸に関与した国境警備隊の治安要員(軍人)は、逮捕・軍法会議に臨むとも。
国連の最新統計によると約130万人のアフガン人が難民としてパキスタンに登録されており、2年前のタリバーン政権になって以降、推定60万人が流入。アフガン難民のうち88万人がパキスタンにとどまれる合法的な地位(有効な書類)を持っているが、110万人が滞在のための有効な書類を持っておらず、自発的に離パしないと強制送還だという。アフガンとパキスタンの国境線は1600kmくらいか、7~8年前からパキスタン政府はテロリストや密輸業者(麻薬)などの流入を阻むため、国境線上に壁や塹壕を作っており、約1100kmが完成し338箇所の検問所も完成したとのニュースが何度かあった。イランやトルコ国境にもアフガン難民の流入防止壁や塹壕が約200km完成したとの報道を大分前に見かけたし・・米元大統領トランプの国境線上に壁を作る等に倣ったものか・・ね。