出稼ぎ乞食

2日前、ムルターン空港でサウジアラビア行きの飛行機から巡礼を装った物乞い(容疑者)16人を降ろしたとの写真付きのニュースがあった。見れば彼ら・彼女たちは巡礼に行くらしい服装(白布で身体を覆い)になっている。国内に働く場所が無く、海外を目指すパキスタン人が多いのは周知だが・・多くの物乞いが巡礼ビザを悪用し、サウジアラビアイラク、イランを目指すとも。そして、この飛行機から下ろされた物乞予備軍は、物乞いで得た収入の半分を手配業者へ払わなければならないのだと。
イスラーム教徒の義務には信仰の告白、礼拝、断食、喜捨、巡礼がある。世界で最も豊かな国の1つであるドバイでは、乞食がとんでもなく稼ぐのだとドバイのメディア・ガルフとドバイ自治国が統計調査として発表していた。な、なんと人によっては1ヶ月に800万円を稼ぐとか。特に断食の時期には「喜捨」がイスラーム教徒の義務でもあり、物乞いたちも「義務に付き合い貰ってヤル」とばかりに胸を張っている。ドバイでは2年ほど前だったかに「アンチ物乞い法が可決」しており、パキスタンでも2年前から「取締り強化」で数百人を保護?再教育されている教室風景がニュースになっていた。しかし・・働く場所がないパキスタンだ、喜捨が義務であるかぎり物乞いは減らないだろう、持っている人から「喜捨」を受けるのは当然で恥ずべきことでもない社会だ。また物乞いが職業として成り立ってもいるのだから。
10年くらい前のニュースにもイラン(シーア派の巡礼先)で100人の乞食が当局によって逮捕されたとあるし、イラクでも同様だ。近年ではヨーロッパでもパキスタン人の物乞いが増え、捕まってパキスタンへ送還されているとのニュースが出ていた。パキスタン人材開発省の発表によれば、外国で逮捕された物乞いの90%がパキスタン人であるとも・・そして・・物乞いたちが次ぎに目指す国は日本だろうとも?!日本にも不景気の大風が吹いていることを、多くのパキスタン人たちは未だに知らない。