犠牲祭

明日から4日間の犠牲祭休暇に入る。犠牲祭はアッラー(神)の命令により、自分の大切な息子を犠牲にしようとしたイブラヒムの「神への絶対服従を祝福する日」とされ、大巡礼の最終日には大切に育てて来た家畜(ヤギ、羊、牛、ラクダ)などを、屠って神に捧げ、家畜の肉は貧しい人々、親しい友人、家族へ夫々3分の1ずつ分けて祝うことになる。
26日から始まった大巡礼、サウジアラビアのメッカへは160カ国から200万人以上が参加、コロナ前の基準に戻ったと伝えられている。サウジアラビアにとって巡礼は年間数十億ドルの収入、6月の気温は連日45℃にもなるのでグランドモスクには数千人の救急隊員が待機、3万2000人からの医療従事者も熱中症、脱水、極度の疲労治療のために待機させてあるとは、サウジアラビア政府の発表だ。中にはメッカでの巡礼中に死ぬつもりで運ばれて来る人もあるというから、その信心ぶりは尊い!?
巡礼は断食や喜捨、礼拝などと並んでイスラーム教徒の義務の1つであり、一生に1度はメッカへの巡礼を果たさねばならず、多くの人々は日々倹約に励み巡礼へのお金を貯めることになるし、巡礼を果たした人は「ハジ」の称号を得て人々から尊敬を受ける。
イスラーム教徒の人口は2022年で20億人(世界人口の約25%)2030年には23億人。2100年にはキリスト教徒の数を抜き、世界最大勢力になると予想されている。日本に在住するイスラーム教徒は推計で23万人、モスクも113ヶ所に増えているというから、イスラーム教徒は「怖い」という一律のイメージで捉えず、相互理解を進めていかねばなるまい。原理主義に凝り固まったイスラーム教徒、欧米で近代教育を受けたイスラーム教徒、それぞれ大きく異なるのだから・・