罪を抱えたまま あの世へ逝く

後2週間でサウジアラビア、メッカへの巡礼が終わり、イスラームの二大祭の一つである犠牲祭がやって来る。犠牲祭用の家畜バザールは、3密を避ける等の制限付きで開かれるとニュースにはあった。家畜バザールへ出向かず、ネットで家畜が購入出来るというのも今年からあるらしいが、現物の牛やヤギ、ラクダの肉付きを見ないでネットで購入って、イマイチ不安。成牛を買ったつもりが仔牛が来たら困るがなぁ・・       
メッカへの巡礼には、例年ならば数百万人とも言われる人々がサウジアラビアを目指す。だが、今夏はコロナのせいで海外からの巡礼者を受け入れず、サウジ国内の1000人にのみに許可とされている。サウジアラビアでは早い段階から国王や、国防大臣もコロナに感染。他、多くの王族も感染、感染者数は現在25万人になろうとしている。      
イスラーム教徒にとっての巡礼は、義務である5行(信仰の告白、1日5回の礼拝、断食、喜捨、巡礼)の一つで、経済的・身体的に可能ならば生涯に1度はメッカ巡礼を実行しなければならない。巡礼を終えると、それまでの罪がすべて清められる上、ハッジという称号まで得られる。    
犯した罪がすべてチャラになる!素晴らしい! ならばオバハンも一度はメッカへ行きたいと想い、過去には何度か「犯した罪のあれこ」を省りみた。騙されたことは多々あっても騙したことは無い筈。盗まれたことは数知れずあるが、盗んだことは一度もない。気儘ゆえに亭主二人に逃げられたことはあっても、男を騙したことはない・・ ただただ、自分の好きなことに邁進、親には孝行を一切しなかった。子供たちの教育も手抜きだった・・等など振り返ったわ。
しかし女性独りではメッカへは行けず、息子に同伴を頼まねばならず(大昔に何度か頼んではみたがキッパリ断わられた) その上、信仰心も足りなかったし、後期高齢者になってしまった今となっては巡礼はキツイ。かくなる上は罪を抱えたまま、あの世へ逝くしかないことを、犠牲祭が来るたびに実感している。