賞味期限切れ17年モノ

戸棚の奥底に転がっていた50㏄ばかりの小瓶、どなたかに戴いたものであろうが既に記憶にはない。蓋の縁辺にはサビが浮き、いかにも古そうだが封印はシッカリされたままだ。「何の小瓶か?」と、わざわざ眼鏡をかけて克明に観察。
17年モノともなれば貴重品だ。直径4㎝ばかりの蓋にはトレードマーク(商標)として、荷物を積んで砂漠を渡る2こぶラクダと馭者の絵が描がかれている。「砂漠、ラクダ、馬、風呂ナシ、垢まみれの困難な旅」というのはオバハンの旅のコンセプト、好みだ。賞味期限が17年前に切れたモノらしい褪せた色合い。フランス語らしい説明は読めないので飛ばし、瓶の側面にある日本語の一般的な注意も読み飛ばした、
早い話が褪せた色合いの絵と、少し古くて危険そう・・というのは(ビビりのくせに)怖いもの見たさのオバハンの好みにも合う。そ~っと蓋を開けると異常はみられず、ここは自分の舌を信じるだけだ。パキスタンへ来てからの40年、どれだけ賞味期限切れ食品と付き合って来たか! そしてただの一度も体調を壊してはいない。瓶の側面にあるラベル、「エキゾチックな東洋の果物」なる説明とは異なるが、中味は紅茶味の蜂蜜だ。オバハン好みの蜂蜜とは言えないが、2日前から「蜂蜜切れた!欲しい」と思っていたから有難く賞味させて頂くわ。17年前にこの蜂蜜を下さった方、ありがとうございます。