アフガンの難民

11月も半ばになり、標高が1800mのカブールでは昼間が15度くらい、最低気温はマイナスを示すようになりつつある。今年のアフガンはタリバーンが政権を奪取する前から、厳しい旱魃と食料不足が発生しており(アフガンは、ほぼ10年ごとに酷い旱魃に見舞われる。例年の降雨量は一番多い春先の3-4月ですら月平均50mmくらいで、後は月平均10mmあるかナシだ。だから都市部以外の国民は春先に小麦の種を蒔き、後は天からの降水に頼って収穫を待つというのが通常のパターンであり、収穫量は本当に厳しい。収穫と言えるのか?と疑問を呈するくらいに、小麦の穂先には文字通り数えられるほどしか実を結んでいないことも多い。で、農山村民の多くは9月までの半年を近隣国で難民として暮らすか、大都市部に出て単純な日雇い作業にあたることになる)だから、食料不足は今に始まったことではない。が、国連の調査では今年6月の時点で国民の3分の1にあたる1400万人が植えに苦しんでいると報告していた。タリバーン政権がアフガンを再掌握した直後の8月末、多くの人々がタリバーン政治を恐れて多くの国民が近隣諸国へと走った時、国連難民高等弁務官事務所では「近隣諸国は国境の開放維持を」と要請した。が、イランもパキスタンも増え続けるアフガン難民には頭を悩まし、最近ではアフガン難民たちの帰還に力を注ぎ出した様相だ。難民を受け入れれば国際機関から「援助金」があるとは言え、それらに見合わない治安の悪化など等があれば、どの国も受け入れを見合わせて当然とも言える一面がある。タリバーンが国を掌握する前年ですら、国連難民高等弁務官事務所パキスタンに150万人、イランには78万人が渡り、ドイツには18万人、トルコには13万人が難民として到着したと発表しているものな。
神の御心で・・産まれる場所を選べない辛さ。物価高が酷いと言いながらも、パキスタンでは飢え死にする人がないという幸せ・・数年前、カラチで餓死者が2人ばかり出たとのニュースに、近隣は何のサポートもしなかったのかと大騒ぎになるようなパキスタンだ。