アフガンの難民②

8月半ばタリバーンが政権を掌握して以来、2万8000人以上のアフガン人がアメリカへの「一時的な」入国申請をしたが、11月半ばの現段階では入国が承認されたのは約100人だけだという。すでにアフガンから国外退避をした7万3000人は、第3国やアメリカの軍事基地などにとどまっているらしいが、アメリカで入国承認が出ない人も多々、出て来ることだろう。その場合は第3国で受け入れて貰えるまでアメリカで待つかしらン・・
さらにはタリバーン政権になって以来、「毎日、数千人のアフガン人がイランへ国境を越え、その数は既に30万人を超え、冬に向かってさらに数十万人が国境を越えて来ると予想している」と、ノルウェーの難民評議会は述べているし、「国際社会からの支援が殆どないから、イランがこれほど多くのアフガン人を受け入れることは期待できない」とも。そしてイラン政府は今年に入って103万1757人ものアフガン人を国外追放しているとも、IOM国際移住機関は述べている。イランと共にパキスタンも500万人以上のアフガン人のうちの90%を収容して来たから、諸々のマイナス要因が増えるのは確かだと、オバハン自身も長年見て来て同意はできる。
アフガンは周囲を大国に囲まれるという地勢上の厳しい位置の上、人間の住める場所は水の得られる極々限られた場所でしかない。タリバーンがアフガンを短期間で掌握出来たというのも、水のある周辺部にある町(州都)を掌握すれば良いという条件下だったからだ。農民だけではなく、アフガンという国にとって「気候(水)が戦争よりも深刻な危機になっている」のは、目を避け難い現実だ。