パキスタンの治安悪化はさらに進む

朝イチでチラ見したロイターのニュース、インド、ニューデリーにあるアフガン大使館の上級職員5人が欧米へ亡命し、受け入れられたと。2年前の夏にタリバーンアメリカの傀儡になっていたアフガンの政権を20年ぶりに奪還。当初のタリバーン政権中心部には海外で学んだ比較的若い人たちが何人もいて、新タリバーンには国際的な視野が生まれつつあり、国際協調が少しは出来るのかと誰もが期待したと思う。が、年長者を敬って当然の社会なので、若い人たちの意見は無視されているのか、「あの海外で学んだ若い力や意見」は何処へ行ったのか?という有様に近いようだ。ニューデリーにあるアフガン大使館で働く正規の職員たちも、現タリバーン政権のありようにはガッカリしたのだろう。アフガン大使館業務は昨日から停止とのこと、インド政府は今のタリバーン政権を承認もしていない(パキスタンの政権に近い)し、アフガンにはインド大使館も置いていないから正規の国交はほぼ断絶・糸のように細くなったということだ。
タリバーン政権になってアフガンのGDP国内総生産は1人あたり年間350ドル以下(2~3年前は500$超え) 国連の統計によれば現在は国民の97%が貧困ライン以下だという。元々の食糧自給率は60%前後はあったが、内陸国ゆえに自給出来ないものも多い。アフガン国内では働く場所が無いから現金収入は無く、購買力などは激落ちだろう・・この冬はイランやパキスタンへの難民がさらに出るに違いない。イランの国情は知らないがパキスタンの物価高騰は眼に余る・・仮にうまくパキスタンへ潜り込めても生活は苦しかろう。となれば生きるために何でもアリアリとなるのであろう、このところパキスタン国内で強盗などで捕まっているアフガン人のニュースが絶えない。パキスタンの治安悪化はさらに進むということだ・・