内戦は始まっている

アフガンから米軍とNATO軍の撤退が終盤になり、治安のさらなる悪化は目前だ。カーブル空港の警備にのみ多国籍軍の中にあったトルコ軍が残り、首都にある米大使館(館員)を守るための米軍の600人は残すという。米大使館の警備はともかく、自国の空港をも守れないアフガン軍・・実に情けない話だ。アフガン政府軍の「質」はいろんな意味で悪い。幾つもの国々がアフガン政府軍とアフガン警察の訓練に携わって来たが、20年もの時をかけたとは思われないくらい「訓練・教育」に成果が薄い。途上国の常態と言ってしまえば、そうなのかもしれないが。
途上国の多くでは雇用の機会に恵まれない。極論を言うなら、食べるチャンスのためには武装勢力にも軍人にも、そして警官にもなる節操のなさが彼らの多くある。多くのアフガン人に見られる節操のなさ・・欺瞞と裏切り・復讐、かつ残忍さ。ある意味、自分の心や感情に大変正直な人たちとも言える。
とにかくアフガンは建国時に「イスラームの護持」を謳っているから、タリバーンが政権を取りイスラーム強化に戻るのは直ぐだ。イスラーム、結構。だが問題は彼らが偏ったイスラームの教えを振り回し、やたら取り締まることになる鬱陶しさだ。ソ連侵攻の頃より、まともな人(知識人)はアフガンから脱出している。911直後のほんの一時期、タリバーン政権が倒れた後には希望を持ってアフガンへ戻った人たちもあったが、今また「まともな人」の多くは海外へ出ようとしているし、出てしまっている。
まともと言うことを取り上げれば・・最近でこそ、パキスタンも警官になるには12年生の修了などと言われてはいるが、抜け道などは幾らでもあるし、今も「まともな家」では、警官にだけはなるなと言うくらいだ。ただし上級職の警官や軍人は別物だが。