パキスタン国家機関の関与はナシ

寝る前にパキスタン関係の報道を見ていたらニューデリー発、時事のニュースで昨13日、英外相がインドを訪問。インド外相との会談で、「昨年11月のムンバイ同時テロについて協議。会談後の記者会見で英外相は実行犯がパキスタンの国家当局から指示を受けていたとは考えていない」と述べ、インドの主張するパキスタン国家機関の関与説に否定的な見解を示したと。
うんうん、数々の現場事実にもかかわらずインド政府の主張は、「パキスタン悪者説」に偏り過ぎていたものな。今朝の当地新聞(一面トップ)でも、「インドがパキスタン関与の明白な証拠を出さない」と、まだ騒いでいる。 だからこそインドの不透明な理由付けで印パ間に紛争が起こらないようにと、アメリカまでが慌てて出っ張って来たわけだ。 ヒンドゥー教徒であろうとも、目的のためにはイスラーム教徒とだって手を結ぶワ。インド政府は自国民による(彼ら実行犯たちの目的は推し量るべくもないが)犯行と認めるべきだ。

確かにパキスタンの国家機関は関与していない。しかし英外相の言う「パキスタン系のイスラム過激派ラシュカレトイバの関与は明確」だろう。そして「(過激派を取り締まることは難しいが)パキスタンは、同組織に対処する一義的な責任を負っている」というのも正しい。  それにしてもイギリスの外交技術は何時もながらたいしたものだ。当たり前のことながら、双方の顔をしっかり立てて…。



さらに別紙。インド寄りの半端記事を書くことが多い某紙だが、今回はまともな記事を書いている。「元駐在アフガン大使のパキスタン人が、アフガンの安定化を実現させる策というのを掲載。 「武装勢力タリバーンが敵対視する米軍など既存の駐留外国軍に代わりに、インドネシアやマレーシアなどイスラーム国家の軍隊を、国連の承認を経て駐留させることが望ましい」。 さらに元駐在アフガン大使は、「パキスタンやイランなど、過去にアフガン支配に野心を持った国が派遣されれば再び混乱を誘発する恐れがある」と述べ、派遣されるべきイスラム国家について、利害関係を持つ近隣国ではなく、インドネシアやマレーシアなどを挙げたと。これは、なかなか卓越したアイディアだと思う。もっともオバハンがそう思うのは、単なる第三者の常識的な考えだからかもしれない。

タリバーン指導部の考えを熟知しているとする元大使は、「これら(イスラーム国家による軍の駐留が実現すれば、タリバーン政治勢力となり、駐留軍を攻撃することは絶対にない」と強調したらしいが、そこにはチト疑問もある。 まぁ、いずれにせよ、アメリカがアフガンへ増兵するのは絶対に反対だし、自衛隊の派兵にも反対だ、増兵でアフガンが落ち着くことがないのは明白だから。 アフガンでの昨年度(多国籍軍)死者は300人弱、負傷者は2000人くらいだったと想う。
「戦闘を続けても勝てない」との認識がアメリカにありながらの増兵は、やはり戦争をすることでしか経済を廻すことが出来ない大国の悲劇としか言いようがない。弱小国家にとっては残酷なことだ。