首都の定点観測

2ヶ月ぶりにイスラマバード市内をグルっと廻って定点観測。 数年前から首都の交通ラッシュを緩和する意味合いもあって、首都高速のようなものの建設が進んでいるのだが、それが目に見えて進捗していた。通常の現場では10人のうち作業をしているのが1人だけというのに、この道路建設現場では3~4人のうちの1~2人が高い橋桁の上で黙々と作業をしている。いやぁ~パキスタンの労働者も変わって来たのか?!

昨秋の自爆テロで甚大な被害を被った、首都最大級のホテル、マリオット。オーナーがクリスマスに合わせて再開と豪語したように、確かにホテルの一部は再開されていた。しかし…あれはホテルというよりも、アフガンの首都カーブルに駐屯する多国籍軍の基地並みに味気ない高防御壁でゲンナリ兵站部か??? 「なんじゃぁ~~あれは? キャハハ~」と外見に呆れ、唖然を通り越してオバハンは高笑いしてしまった。いや、失礼しました…。
ホテルは大破して凄かったのに、ひび割れにセメントを詰め、外側だけを化粧し直して取り繕ってある。大地震が来たらアウトだな…  おまけにマリオット・ホテルの隣のビルも前の政府宿舎もガラスがぶっ飛び、壊れたまま。自爆テロで大破した建物の瓦礫を周辺部へ捨て積み上げただけなので、大きな埋立地の真ん中にある兵舎のようでもあるし、ゴースト・タウンの中にある5階建ての兵舎にも見える。首都最大級ホテルとしての品格は皆無。どう見ても多国籍軍の基地だ…。

イスラーム過激派の拠点になっているとして1年半ばかり前に、政府軍に攻撃され、多くの罪もない人々が亡くなったラール・マスジッド。マスジッドの後ろ通りの名前が「殉教者通り」と変わっていた。きょうも犠牲者が集団埋葬された墓地には多くの人が参拝していたな…。犠牲者の家族には今も政府に対する憎悪が渦巻いていることだろう。

首都最大の大型店METRO、環境と経済不況に留意してか、照明を以前の3~4分の1に落としていたので店内は暗く、一瞬、閉店中かと思った。また買った品物を入れるナイロン袋もくれなくなった。幸いオバハンは物凄く大きな布袋を2枚持参していたから良かったものの、何もなかったら不便をかこったことだろう。 我が家でも環境に留意し節電と節ガス。寒いのは1枚余分に着れば良いだけだとしている。
TV放送でも節電を日々、何度も呼びかけている。


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少し前の話。2005年度のノーベル平和賞にノミネートされていた1000人の女性たちがいた。彼女たちは、世界中の様々な地域から推薦された、「平和に貢献した10000人の女性たち」だ。社会的・文化的差別を生みだす制度やイデオロギーに挑戦し、地域や世界の平和を構築し促進している女性たちの貢献を目に見える形で讃え、国際的な関心を喚起することがノミネート自体の目的だった。

もちろん、残念ながらノーベル平和賞は逃したが、その後、この1000人の素晴らしい女性たちを紹介した本「1000PeaceWomen」が出版された。そして2006年の夏、英語で出版されたこの本を日本でも広めようと『「1000PeaceWomen」を1000人で翻訳しよう!』というプロジェクトが立ち上がった。
1000人が、1人1人の女性の話を日本語に翻訳し、日本のみんなにも知ってもらおう!と始まったこのプロジェクト。ようやく出版になった。本自体は少し値段が高いので、お近くの図書館に、『もうひとつのノーベル平和賞 平和を紡ぐ1000人の女性たち』を、どうかリクエストしてください。一人ひとりの声が、多くの人の手にこの本を届ける力になるのでは…と。