悪夢3つ

昨日の昼過ぎに連絡が入った山岳事故。よそのエージェント手配の登山であっても、救助を依頼されたからには1分でも早くヘリコプターの手配をと、焦って重い気分を引きずっていたせいか。 
そしてイスラーム原理主義者(狂信者)たちのこと等を考えながら寝たせいか、自分が真っ黒なチャドル(ブルカともいう女性の被り物)の中で宗教裁判を見ていたり。
それらが渾然となった夢を見、自由に身動きできない苦しさにもがいて魘され、自分の声で目が覚めた。寝なおしてから見た3つ目の夢も重く、再び目が覚めてしまったが、忘れた・・・


昨日は北西辺境州のコハットで軍の駐屯地内にあるモスクで自爆テロ。そして、きょうも。
「ラール・マスジッドを政府が攻撃するなら、自爆テロで応酬する」と言っていた通りの事態になっている。警察官や軍人には、勤務時間外は私服で居るようにと、異例の通達が出されたともいうから、政府は相当あせっているようだ。
結局、ラール・マスジッド突入以降、連日2~3件の自爆テロ。報道されていない未遂は更に多いものと思われる。この1週間の結果は、計165人以上が亡くなっていることになる。
今のところ北西辺境州に集中しているが、首都にも8~24人もの自爆テロ予定者が入っていると伝えられ、実に憂慮すべき状態だと思う。
これが秋の大統領選挙まで、あるいは近々にムシャラフ大統領が大統領職を投げ出さない限り続くのかと思うと、ゾッとする。
もっとも、秋の大統領選挙は荒れるだろうと早くから言われていたが・・・


きょうはラール・マスジッド突入後、初めての金曜礼拝日。
当地の最大野党でイスラム原理主義政党の連合体(MMA)が中心となって、犠牲者たちを悼む集会が執り行われる。

また、イスラマバード最高裁判所では、最高裁長官の職務停止に係わる判決が出される見込みで、街中は再び厳戒態勢。危機管理能力の高いパキスタン人たち、外出を控える人も多く街は森閑とした様相。

最高裁の裁判官13人による裁判結果は、10対3で職務停止になった最高裁長官の復帰が決まった。
とたんにオバハンの事務所でも、従業員たちの休息所でも大歓声が挙がり、大拍手!!
ムシャラフ大統領は、早くから「裁判結果には従う」と言明していたというから、軍服を脱ぐか、大統領職を辞すか、いずれにしても、これで軍事政権化は免れるのだろう・・・
最高裁前の広場に集まった数千人の司法関係者や、長官支持者、野党の党員たちからは「これでパキスタンの歴史が変わった。民主主義が勝った!」と歓声!
もっとも、ここに至るまでの4ヶ月間には多くの命が犠牲になり、血が流された・・・ そして反政府活動家の行方不明者も数多いと聞く・・・

最高裁長官の復職は、ムシャラフ大統領にとっては大きな脅威となり、さて、今後は・・・どうなることか・・・