ブット元首相の帰国は断食明け

ドカァ~ン、ダダァ~ン、パカパカ、ドド~ン。銃撃音の合間にカラスがカァカァ~。
なんだか… 先般のラール・マスジッド事件と、同じような状況ではないの??

金曜日で、ラマダーン断食月)初日。何もない静かで清々しいラマダーンの1ヶ月間を祈っているというのに、また事件かい?? 上がりたい、上がりたい! 屋上に上がりたい! しかし、万が一を考え、屋上へは上がらずアチコチへ電話をかけさせることに…
一昨日のシャリフ元首相グループが中心となった、政府への抗議集会はラール・マスジッドの隣広場だった。この時も銃撃音に似たグァ~ン、ガンガンが酷くて屋上に上がってみた… 思い起こせば、何時でも、この手の音には事欠かかず、その度にオバハンは耳を澄ませているワ…
電話での結果、ラマダーン初日を祝う爆竹が遠近、あちこちから上がっている様子に一安心(今までは断食明けの爆竹はあっても、初日には一度もなかった)。


さて、パキスタンの有力野党PPP総裁、ブット元首相が断食明けに帰国すると発表。
先般のシャリフ元首相と同様、99年にブットも首相在職中の汚職などでで有罪判決を受け、現在はロンドンで亡命生活を送っている。
しかし、ラール・マスジッド事件で、BBCのインタヴューに答え、「ムシャラフ大統領のやり方を支持」しているブット元首相を見て、驚いたねぇ~~  亡命当初のくすんだ感じは一掃され、再び政権の座に戻ろうとしている人間のオーラがビンビンに出ているのには… とにかく表情の一つ一つにピカピカ艶があったもの。いやはや、多少の痛手をものともしない、生命力の強い爬虫類並みだね… 凄いと思った。
ブットの夫ザルダリはミスター20%とも30%とも呼ばれ、えげつなくコミッションを要求するので人気はなかったが、ブット自身はハーバード大学とオックスフォード大学で学んで、常に親米路線、アメリカからは絶大なる信頼があるという。もっとも、ブットの言う「民主主義」も一般国民からは乖離しているし、何で人気があるのか?オバハンには一向に分からん。

米国は、すでに以前から、ムシャラフがブットを首相として政権に取り込むことを働きかけて来たともいう。ムシャラフもブットも対米協調を志向していることから、アメリカさん好みの政権が出来上がるとみたものか。いずれにせよアメリカが後押しさえすれば、両者が手を握るのは可能になり、見た目だけは民主的な国家になるのかな? 
それにしても… 政治家という人種は凄いと思う。政敵とでも個人的な利害が一致するなら手のひらを返したように、手を結ぶことが出来るのだから。安倍ちゃんも学ばなくっちゃ~~~

パキスタン国民の支持率はムシャラフ大統領38%、ブットの支持率63%、シャリフ57%、オサマビンは46%(北西辺境州での支持率は70%)、ブッシュ9%。
日本での安倍ちゃん支持率は30%以下。ま、ブッシュほどではないが、人気のないムシャラフ以下か。
パキスタンの政局は「お粥」だが、日本も安倍ちゃんのお陰で世界から酷評、「生煮えの雑炊」か…