非常事態宣言は平和的な選挙のために必要

アメリカの国務副長官がムシャラフと会談。
ムシャラフによると、「非常事態宣言は平和的な選挙のために必要」だとのこと。
非常事態宣言下(独裁政権)で、民主的な選挙活動がどのように展開されるのか? 大いなる矛盾に挑戦するパキスタン、さてさて…

いずれにせよ、ムシャラフは言うに事欠き???まったく、素晴らしい理論を振りかざしたものだ… 
BBCラジオの放送によれば、ムシャラフは「1月実施予定の下院選で政治的混乱が起きた場合、パキスタン保有している核兵器が「誤った手」に落ちる危険性がある」とも、主張したという。
もう、ここまでムシャラフの想像力が逞しければ、ついていけない。
これ以上の言辞を連ねると、オバハンも「侮辱罪」に問われそうだ…

よって、「法と秩序が回復するまでは非常事態を解除できない」と報道されている…
法と秩序ねぇ~~ それについては、いろいろな解釈があると思うが、「法」を無視しているムシャラフがそれを言うか… まったく説得力はないと思うが。

「非常事態宣言が過激派を取り締まる法執行機関の権限を強化するための措置」というのであれば、全国的な非常事態宣言は不要ではないのか? 現在は確かに治安が悪い。しかし、治安悪化地域は全国的なものではない(そして、それを招いたのもムシャラフ自身だ)。
ラール・マスジッドで親族を殺戮された北西辺境州に暮らす、あるいはタリバーン掃討に名を借りた部族地帯からの「報復的な治安悪化」が主なものだ… ならば、非常事態宣言は全国的には不要だ。

「選挙が誤った環境の中で行われれば、混乱を引き起こしかねない」 「非常事態宣言を解除すれば不測の事態(核が悪しき者の手に落ちる)恐れがある」と、ムシャラフは念の入った警告をもしているらしい。
しかし、自爆テロパキスタン各地で頻発させ、「こんなに治安が悪化。だから非常事態宣言を発令しなければならなかった」とする、自作自演の可能性が大であるとは、11月初旬から巷で言われているのも忘れてはならない…