今までとは違う風

非常事態宣言から2週間、大統領は政府批判の放送を一切禁止。
しかし、ようやく昨日から民放2局の放映が「放送規則の順守」を条件に許可された。衛星でBBCNHKなどは辛うじて見られていたが、オバハンの見たい地元のジオTVなどには、まだ許可が下りない。

さてパキスタンの下院は、昨夜、任期満了で解散した。大統領は来年1月9日までに行われる総選挙の選挙管理内閣の首相にソームロ上院議長を任命したという。オバハンは単に「暫定内閣」あるいは「臨時内閣」と思っていたが、今回のような場合には「選挙管理内閣」と表現することを、初めて知った。

なお、大統領は参謀長を辞任して文民大統領になった後も、非常事態宣言の継続や解除を決める権限を持つとする、暫定憲法の改定に署名したと報道されている。
早い話が、非常事態を解除する権限を陸軍参謀長から大統領に移管したと。何にしても自分自身の権限を手放したくないようだ。手放したら最後、命に関わるものな…
しかし…よくも、よくも、自分に都合よく、好き勝手に憲法を改定できることだなぁ~~ 独裁に傾くことで国民のムシャラフ離れは進み、自分で自分の首を絞めていることが解らないのであろうか……

アメリカの国務副長官が「非常事態宣言の解除」を求めて、今週末にパキスタンへ来ると3~4日前に報道された。また。シャリフ元首相もブットと話し合う用意があると表明し出した。政府批判をする学生運動も40年ぶりに復活を見せたとか。
独裁をさらに強めたことで、ムシャラフには今までとは違う風が吹くのかもしれない…

最近は厳しい顔つきの大統領しか見て来なかったが、きょうの地元記者の会見ではムシャラフはリラックスし終始にこやかだった。しかし人気の凋落を思えば、仮に大統領に再選されたとしても内外の批判は大きく、政権は長持ちしないように見える。