反米デモ、踏みにじられる星条旗

きょう21日は大規模な抗議デモになるというので、政府は早朝から携帯電話のサービスを一時停止するよう携帯電話会社に指示をしたが、電話会社によって停止までの時間差が2~3時間はあった。オバハンは未だに携帯電話が(大嫌いで)使っていない化石人間だから痛くも痒くもなかったが、普段から携帯電話に頼り切っている人は不安で不便だったようだ。

午前11時過ぎまでは嵐の前の怖いような静けさだった。走る車の音もなく、門から恐る恐る顔を出すと、歩いている人も居ない道路のはるか先まで見渡せて、右の交差点にも左の交差点にも積み上げたコンテナがない~~~ 「ひぇ~~コンテナが撤去されている~~」とびびったが、きょうは交通機関も全部が止まり首都への道路がすべて閉鎖されていることを思い出して、少しだけホッとした。
しかし気合の入った礼拝前の説教の中、礼拝の前ならばまだ大丈夫だろうと息子が偵察に出、「アカンわ! みんな棍棒の先に布を巻きつけ松明状にして油のビンや缶を手にしている」というので、びびりのオバハンは家中にある消火器20ほどを表に近い場所へ置き直そうかと思ったくらい…

パキスタン政府は本日をわざわざ休日にして、国民に平和的にデモを行うようにと呼びかけていたにも関わらず、一部は本当に過激だった。星条旗を踏みにじったり燃やしたりは全国通津浦々で普通に見られ、(イスラーム的には不浄な)犬や、下品の象徴のようなロバに星条旗を着せ掛け、棒で叩いたり突いたりしながらデモ行進をする人たちも。 しかし……デモ隊の先頭にいる人たちは何をあんなにシャカリキになるのか? 多くの人は静かに行進をしているというのに。

重くて長いコンテナがデモ隊の人たちが気を合わせ押す力で、車が付いているわけでもないのに道路を走り、警察や軍隊による封鎖線を突破する。大通りは封鎖をされていても首都を取り巻く林や森の中、橋の下や草原を押し分け封鎖線を抜けたデモ隊は首都を目指してやって来る。デモ隊を停止させようと催涙弾が飛ぶ。 結果、欧米人が多く泊まる首都一番の豪華ホテルはきょうも過激なデモ隊の襲撃を受けた。
息子も出迎えのお客様の安全確認にと出て、車の窓ガラスを割られ、ガラスをかぶって帰って来た。この抗議デモは明日も明後日も続くだろうと… 抗議デモには反対しない、なんとか静かに『抗議』をしてほしいと念ずるのみだ。