北方地域事情…

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パンジャーブ地方パキスタンで一番、開明的です。女性の多くは持参金つきで輿入れし、ある程度の実権(財布)をも持っているようです。女性の実家に実力があれば、大きな後押しにもなります。実に羨ましいことです…

しかし、北方地域のギルギット(スンニー派)は、北西辺境州の原理主義者並みの思想でしょうね。山越えでジハード(聖戦)だと、アフガンへ行く男たちも、まだたまにはいますから。
最近になって「女もメトリック(10年生)を卒業しないと、良いところへお嫁に行けない」という風潮が指導者階級にも生まれて来ました。しかし10年生を終えるハードルは高いようです(100分の34点で合格)。 
殆どが地元出身の先生たちで、先生自身の能力が高くありませんから、毎年の進級試験では英語と数学で落ちこぼれます。女の子は5年生まで学校へ行けば充分だとする考えが、まだまだあります(義務教育は5年間)から。
(私が知っているギルギットの家族たちの多くは)女性は夫や、その家族に対して完全服従で忠実であることを求められています。「そこに24時間立っていろ!と言ったら、24時間立っていられる。ウチの嫁は素晴らしい!」と、褒められるような社会です。家長や長兄の言うことは絶対です。

それに対しイスマイリ派は「女性にこそ教育を…」というので、殆どが10年生を終えますし、奨学金制度が完備していますから大学へ行く人もたくさんいます。結果、教育指導者や医者などにイスマイリ派の女性が占める%が年々多くなっています。しかしスンニー派でもよほど開明的でないと、イスマイリ派の医者にはかかりません。中にはイスマイリ派の人間が作った食事など出来ない、それなら食べない方がマシだという年よりもいます… 年長者にそうした考えがあれば、忠実・服従を要求される社会としては、(表向きは)絶対に従わなくてはならないのでしょうね。

北方地域は宗派(スンニー、シーア、イスマイリ、ヌールバクシュ派など)でモザイク模様になっていますから、それぞれの宗派は自派の教えに(余計に)忠実、過激?に傾くように私には見えますが。

なお、ギルギットの人たちは自分たちのことを、パキスタン人だと認識していないように思われます…
海外に行く時は「パキスタン人」のパスポートを便宜的に持つが、俺たちはギルギット人だ!という認識です。