パキスタンでは選挙投票が出来ない

さて今回の総選挙、パキスタンは現在治安も悪く選挙管理の手数を省くとかもあって、選挙投票の出来ない数少ない国の一つである。どうしても投票したければ近くの国タイへ行くか、本籍地へ投票用紙を請求し取り寄せ、さらに送り返さねばならないので今回は時間的にも間に合わない。
前回の選挙ではオバハンの主唱するNPO日パ・ウエルフェアー・アソシエーションの理事が出馬したので、パキスタンからも大いに応援し帰日する人に投票用紙を持って帰ってもらい成田から投函して頂いたが、今回は生まれて初めて投票できない。 せめて現在の日本(政治家、政策)に対する批判を「白紙」投票をすることで表したいと思っていたのだが。

それにしても治安は良くない。特にNPO日パ・ウエルフェアー・アソシエーションの母子センターがあるギルギットの治安に関して言えば、アフガニスタンよりう~~んと悪いと言える。

-15℃にもなるギルギットの冬を前に(老いた)番犬たちを暖かいイスラマバードへの避難作戦。他人に任せるわけにも行かず、新たなプロジェクトに際しての会議を持つ…という理由もつけて息子がギルギットヘ18時間もの陸路を走って出かけたが… カラコルム・ハイウエーを走るにも制限がアリアリ。検問が異常に増えたこと等、厳戒態勢。

「ギルギットの町はスンニー派シーア派にきっぱりと分かれ、大通りを挟んで双方ともに臨戦態勢。どこから弾が飛んで来るのかも判らん~  町を走る車はなく、たまに走っている車はバザールの中でも全力走行。 センターの裏では(音からして)手榴弾を投げたヤツがあって爆発、恐怖のどん底~~。 もう2度とギルギットヘは行かん~~」と大騒ぎ。 息子はこの2ヶ月余で既に2回も「車の窓ガラスを割られたり、5m至近距離で銃撃に巻き込まれている」ので、3度目はどうなることかと怯えている。
しかし…そういうギルギットの町で人々は生きている。そして、この悪い治安状況はパキスタン全土ではないけれど、アフ・パク国境に近いところは似たようなものであろう… 
選挙における投票のみならず、学校へすらも安心して行けない子供たちの初等教育、特に算数教室は村々での必要性をますます感じる。