パキスタンへ帰って来ました…

パキスタンへ移住して30年余、特にこの10年近くは核実験、軍事クーデター、911同時多発テロ、米によるアフガン空爆、大地震などに振り回され、全力疾走していたかも。おまけに治安の悪化に伴いノンビリ気分に浸ることもなかったと思う。何が起こるか分からない毎日、パキスタンやアフガンで日本人に何かが起これば必ず(何らかの形で)関わることになるので事務所を空けることは考えられず、寝ている時にも気を張っていたと思う。
しかし、お客も無く暇なこの時期に休むのもいいじゃないか…と、子どもたちに説得され、引きずられて10年ぶりの旅行、それも初の家族旅行。身近な人が亡くなり、亡くなりそうになっている昨今、子どもたちもオバハンへの親孝行を思いついてくれたらしい。

日本に比べれば暖かい冬のイスラマバードから、やさしい夏のバンコック。まずは夏物と歩きやすいサンダルを買いに露店へ。街では自爆テロを気にして四方八方へ気を配る必要も無く、精神弛緩状態。ホテルでは時間さえあれば涎を垂らして眠りこけ、パキスタンでは緊張していたことをあらためて自覚するような思い。

イスラーム最大の行事、イード(犠牲祭)に合わせて帰って来、一番に聞いたのは暗いニュース。北西辺境州チャルサダのモスクで自爆テロタリバーン掃討の陣頭指揮を取っていた一人ということで、春にも狙われた人物に付き添っていた知り合いの安否が不明… 
15日には「治安を回復、非常事態宣言を解除。パキスタンを救ったムシャラフ大統領」たるニュースをホテルで見ていたが… 犠牲祭の特別礼拝で自爆テロ、50人からの死亡者。どこが治安回復か!と怒りが爆発…  パキスタンへ帰って来た実感、ビンビン…