アフガンの臭い

冬を迎えたアフガン、少しは静かになるかと思いきや、4日5日と続けて自爆テロ。2つ共にタリバーンが犯行声明を出していると。自爆テロも怖いが、誘拐・拉致にも気が許せない、まったく気の休まることがない。
「アフガン難民を支える会-SORA」でも、スタッフたちに「万が一、誘拐されても我々の団体ではスタッフの身代金すら払えない。無理をして活動しないように!」と堅く指示をしている。恥ずかしい話だが現実だ。

しかし、スタッフたちはタリバーン強硬派の支配地を通って、支援対象地域へは何回も通っている。村人への適切な支援のためには現場で状況を把握。その精神は有難いものの、冷や冷やものだ。
先月末も寒い中で(夜間は-13℃)スタッフたちは山村廻りをし、政府役人立会いの下、子だくさん、未亡人、特に貧しい家庭を対象に冬支度を届けて来たという。

その報告書が一昨日、カーブルからパキスタンの国境に届いたが…
毎回、毎回、感心するほどピンボケで汚いセピア色の写真ばかり。おまけにアフガニスタンの臭い(匂いではない)までが届く。山村はいうに及ばず、首都カーブルでも室内暖房の多くは薪。アフガンから届いた報告書、写真に染み付いた臭いが凄くて、事務所は古くなった燻製を置き忘れたような臭いに包まれる。あぁ~アフガンの山村から物が届いたという実感。

こちらからは縫製教室用の布や防寒着、給料などを国境で手渡し、特別に何も起こらなければ…これで今年のSORAの野外活動は休眠に入る。
10月にはタリバーンがアフガン全土の54%を掌握したと聞く。無理をして支援活動を続ければ(タリバーン政権が来た時に)事務所は閉鎖されるだろう… 
静かに目立たず、今いるスタッフや縫製教室を運営する未亡人たちの生活を守ることに留意したい。