本格的なモンスーン到来

我が家は半地下のある造りなので、オバハンの部屋は1階だが地面からは約3m強の高さにある。南東向きで人の通らない幅5mの裏道に面し、裏隣の家ゲートまでは60mはあって、その間は背高く深い木立になり空が殆どと言っても良いくらいに見えない。だが昨夜は、その木の間ごしに明るい満月の輪郭が透けて見え隠れし、静かな至福の一時だった。きょうからの数日間は毎晩のように深夜から雷雨予報、いよいよ本格的なモンスーン、洪水・土砂崩れ予報が続いている。
昨夏の大洪水による被害は400億ドル、経済の建て直しまでに30何年という長い歳月がかかるとの報道だった。1990年だったかにインドが核実験をしたことで、パキスタンも抑止力として核兵器を持ったことにより経済制裁を受け、以来、経済は何年低迷したままだし、その後のエネルギー危機や今も頻発するテロ。首相は昨日、IMFとの協議を終え「経済の建て直しには15年が必要」というが、昨夏の洪水などを思い返せば、15年程度で経済が回復するなどとは思えない、なにを勘違いしているものか・・
首相は手柄顔でIMFへの30億ドルの待機協定、支払いをしばし猶予してもらえるようになったと言うが、サウジアラビア30億ドルや中国50億ドルの借り入れは新たな借金であることには変わりはない。PIAやパキスタン製鉄所を含む国営企業は6000億ルピー(20億ドル)も食いつぶしているらしい。パキスランに見切りをつけ、生活のメドが立たたくなった貧しい国民の多くが命をかけて、あるいは大金を払いヨーロッパへの密入国を目指すのもパキスタンに明るい見通しがないからだ。もちろん世界にはパキスタン異常に悲惨な国、アフガンや北朝鮮など等がある。とは言え、本当になんとかならないものか。