命の軽重

111年前に沈没したタイタニック号を見に行って消息を絶った潜水艇・・行方不明になった海域では
カナダとアメリカの当局沿岸警備隊艦艇10隻、同じくカナダとアメリカの軍用輸送機C130、C17各々3機の他、遠隔誘導ロボットやソナー機能を備えた機材を投入し、多国籍軍で夜通しの捜索が続けられているという。さらには6000m潜水可能な水中ロボットも投入と。
お一人様3500万円7泊8日に対し、潜水艇運営会社は搭乗客に対し「この潜水艇は試作品であり、いかなる公認機関からも承認を受けておらず、検査を通過していない」。さらに「死亡や身体障害が発生するおそれがあるが、死亡しても責任を負わない」という免責書類に署名させていたという。潜水艇内の酸素切れまでもう時間はない・・搭乗者は富豪ばかりであり莫大な保険もかけていたろうから、こうした大々的な捜索も可能だが、片やヨーロッパへ密入国しようとした船、全長20~30mの船に定員の5倍以上が乗り、過積載で沈没し多数の死者を出した海難事故。
ギリシャ沿岸警備隊が船を見つけボートを安定させるためにロープを投げた。また一説には水と食料を配ったので皆が前へ急いだため船が不安定になって横転して遭難したとも伝えられているが、エンジンが不調で5日間も漂っていた船は救助を求めて信号を出していたとも。にもかかわらずギリシャ側は「イタリアへ行けと突き放した」というので非難を浴びている。
欧州へ行けば高収入が得られるとの甘言に、旅行代理店に220万ルピー(約80万円)を払った多くのパキスタン人、年に何回かこうした海難事故がニュースになっているのもかかわらず、海外出稼ぎにと向う人々(今回の海難事故に関しては死者も多く、政府は逸早く人身売買にあたる密出国の手引きをした旅行代理店の15人を逮捕したと)
より良い暮らしを求め生きるために80万円を支払い、充分な救助活動を受けられなかった人々。純粋な娯楽・冒険のために支払う3500万円の人々に対する手厚い捜索・・人の命の軽重が分るな・・