不法移民船の海難事故

朝4時、若い頃からの習慣で夜明けの直前には目が覚める。大昔のように夜、寝る寸前まで動き回らねば気が済まない・・などというのは10年余前に無くなったが、朝の涼しい間に一仕事を終えようとする「気」だけは持ち続けている。
太陽が真東の地平線というか、カシミールの低い丘陵を背に昇って来る前後の朝の空気、この夏至の酷暑には何よりの癒しだ。そして太陽が昇ると文字通りアッという真に30℃。そして例年の夏ならば後2週間ほどでモンスーンに入り、気温は30℃半ばまで下がるのだが、今夏は4月からの2ヶ月半がズッと30℃半ばのままだ・・さてさて今後の空模様が気にかかる。

パキスタン、4日前のニュース。移民船に乗ってというか、ヨーロッパへ密入国しようとするパキスタンの人たちは後を絶たないのが現状だが、近年で最も深刻なものの一つとみられる海難事故。全長20~30mの船に約750人が乗っていて、エンジンの故障によって約5日間も漂っていたらしい。今回の遭難の殆どがパキスタン、エジプト、シリアの出身者だと言い、うちパキスタン人は数百人で、その殆どがカシミール出身だとも言われている。連邦捜査局によれば昨年の人身売買業者を対象とした捜査で、不法移民の疑いのあるパキスタン人約1万9000人の渡航を阻止し、昨日は人身売買容疑者10人を逮捕とか。さらに報道によれば不法移民として海外派遣の費用は650万ルピー(日本円にして約300万円)だというから、そんな大金(借金)をしてでも海外へ行って稼ぎたい・・とする人々が後を絶たないということだ。(そしてEU側は昨年だけで違法移民3万4000人異常のパキスタン人を追放したとの報道)
パキスタンは数十年にわたる政治的不安定によって悲惨な景気後退により、暴走インフレに拍車がかかり、広範囲にわたる工場閉鎖が引き起こされた。この絶望的な状況はパキスタン人が危険、かつ違法なルートでヨーロッパへ向かう動機を生み出しているのだとも。景気の悪化、先行きはますます暗いパキスタンだ・・