失くした掌中の珠

失くして分かる掌中の珠。学校から子供を連れて帰って来ると、道路際にスタッフたちや通行人たちが居並んでいる。その真ん中に倒れているのはピンク色のフリルのついた服を着た、可愛い我が家の小型犬ではないの!!
賢くて気が強くて甘えん坊で、美人で食いしん坊で、そして誰よりも意地悪だった雌の小型犬。4ヶ月前には大手術をしたが完全治癒、毎日元気いっぱい飛び回り夜は必ず子供たちやオバハンのベッドにもぐり込んで甘えていた大切なペット。オバハンが子供たちの出迎えにと門を出る時、チョッと別のことに気を取られていたばかりに失くしてしまった。何時もは絶対に門から外へは出ない犬たちなのに・・その上、門番のガードもスタッフたち2人もゲートの傍に居たにもかかわらず、車の下にもぐり込んでつられて外へ出てしまったであろうことを見逃したことへの痛恨。何時ものように一緒に乗せて学校へ行けばよかったとどれだけ悔やんで泣いたことか。ペットが亡くなるたびに何時も大泣きをするオバハンだが、今回は自分が他のことに気を取られて見逃したという痛恨事で自分が許せない。生き物を飼っていると必ず別れがあるのを周知している、にもかかわらず今回は自分のミスで見逃したことが心底こたえた。
物心ついた頃からたくさんのペットを見送って来た、常に多頭飼いなのでパキスタンへ来てからも既に15頭は見送った。病気になったペットを看病し続けるのも辛いが、それには心の準備期間とも言えるものが伴う。今回のように交通事故で失くしたのは初めてだ・・