使い勝手の良いトイレが欲しい

数日前、アメリカの経済誌、フォーブスで「冒険旅行者を魅了する国」のベスト10にパキスタンが選ばれたと。「パキスタンは究極の旅行先です」 と、昨年はコンデナスなんたらとかいう高級旅行雑誌でも紹介されたとかで、このところパキスタン旅行業界、特に北方地域を扱う会社の鼻息は荒い。昨春からはパキスタンの治安が改善されたとして、日本大使館でも北方地域への旅行制限を外した。政府の観光開発を担う部門でも、カラコルムハイウエー沿いに休憩エリアの開発、宿泊施設のために民間への無利子融資などを掲げている。  
オバハンも1981年以来、40年近くを観光業で食べて来たから、パキスタン北方地域の素晴らしさ、反対に欠点もよ~~く解っている。
この4年ほど夏の6ヵ月間だけで、北方地域への観光客は30万人とも50万人とも発表され、北方地域には十分な宿泊施設もないところから、1部屋10数人の雑魚寝というのも不思議ではないようだ。女性の観光客も増えたことから、15時間も走るカラコルム・ハイウエーでは茶店やレストランにはトイレが設置され、その数は増えた。だが、ごく普通の日本人の清潔感に合致するようなトイレは少ない。便座がびしょ濡れ、汚物で足の置き場もないトイレ。トイレまでの数mが危険で落ちれば大けが、遭難しそうなトイレも中にはある。根性を据え、気合を入れねば行けないトイレなど等、田舎ではトイレがあるだけで有難いと思わねばならないくらいだ。気持ちを切り替え、「道の脇は何処でもトイレ!」と思えば不便はないのだが、なかなかその心境まで到達できないのが普通だ(オバハンは大昔から到達している)。
道の脇、畑などトイレに良さそうと想える場所は、ほかの人もそう想うらしく、足元に細心の注意を払い物凄く気を付けていても、いつの間にか他人様のモノをシッカリ踏んでいたりする。人の目のない畑へ入り用を足していると、目の前60cmのところまで人が近づいて来て、ニュッと顔の真ん前へ手を出し「お金をちょうだい」と言われるなど、結構、緊張するのが田舎での用足しだ。
北方地域までの15時間を走るためには、使い勝手の良い休憩所、そしてトイレの設置が望まれる。