武装勢力の最高指導者は逃亡中

6月半ばからパキスタンの外務省は、国内の外交団や外国人に対しても大型ショッピングモールや欧米系の建物への出入り、目立った行動をしないようにとの注意喚起を何度も発出し続けている。
武装勢力への掃討作戦で、外交団や外国人への報復等を大いに懸念しているのだ。

今朝の新聞でも、何百という武装勢力が政府軍の攻撃を前にして、長い髭と髪を短くし一般人のふりをして武装勢力地帯から逃げ出したと伝えている。 かってアフガンでタリバーン政権が倒れた13年前にも同じことがあった。彼らも長い髭を短くして難民に紛れて多国籍軍の攻撃から逃れ、地に潜った。そして復活した。

現地、北ワジリスターンの中心町にある散髪屋がAFPへ話したとして、「政府軍の攻撃を前に、私は700人もの男の長い髭と髪を切り、景気が良かった。髭と髪を短くした中には武装勢力のリーダーもいたウンヌン」と。 事実、武装勢力の最高指導者はアフガンへ逃亡した模様で、まだ逮捕されていない。
実際に、長い髭さえなければ、一般人と見分けはつかない。三々五々、男同士で手を繋いで歩いていても誰も怪しむまい。大都市以外には、これといった仕事などはなく、暇そうにブラブラしている男たちで町も村も溢れているのだから…
地図で見れば武装地域から山越えで真北へ走り、ぐるっと東へ1週間~10日も歩けば、ディアミール地方のインダス河沿いにポツンとある、サジンという警察署近くの谷筋へ道は続いている(ただし、サジン警察署が襲われたのかどうかは、オバハンは知らない)
髭を剃って大都市へ紛れ込んだ者もあろうし、ディアミールへ逃げた者もあるだろう。道は何処へでも続いている。

金曜日の「民兵40人がディアミールの警察署を襲った事件」
パキスタン政府もオバハンが感じたような懸念を持ったらしく、カラコルムハイウエーを走ってギルギットやスカルドゥへ向かう海外からの観光客には、警察からの護衛を付けると、正式に発表をした。(すでに3年くらい前から、警察車両にコンボイの前後を護られ、路線バスなどは20~30台もが連なって走るようにはなっている) 
パキスタン最大の観光地である北方地域への行動制限、観光業者としての日パ旅行社には辛いものがある。