オバハンの皮膚呼吸

ここ3-4日の雨で庭木の葉が落ち、視界は広くなったが寒々しさが一気に増した。きょうは昼でも10度を少し超えただけだ。見栄を張っている場合ではない、靴下こそ履かないものの、冬物の下着は見繕って着替えた。大昔は冬山へ行くための耐寒訓練と思い、霙が降っても半袖のTシャツ1枚で過ごした。雪が降っても靴下を履かず何時も素足だったので「Tシャツのままで靴下も無し。生活に余裕がないンやねぇ」と多くの人から憐れまれた。どうして皆と同じでないと憐れまれ蔑まれるのか?!日本は住み難い国だ。 
12月の下旬に近くなって来ると、陽射しのない日は寒さに身体が馴染まず、イスラマバードでも一入、寒さを感じる。で、一大決心をし、きょうは久々に熱い湯にでも浸かろうかと考えたが、やはり腰砕け。風呂は苦手だ。  
中村先生のアフガンでの贅沢は、宿舎で「風呂」に浸かってリラックスをされることだったらしいが、オバハンは風呂など無くても殆ど困らない。世界には一生に数回しか水を浴びない遊牧民などもいるではないか。何時も言うが、垢や埃で死んだ話を聞いたことがあるか?! 
アフガン暮らしでは最長54日間、身体を洗わなかった。パキスタンからアフガンへは7年間くらい行き来をしながら過ごし、イスラマバードへ帰り着く度にシャワー室へ飛び込み、皮膚呼吸の出来る快感には浸った。季節にもよるが、凡そ2週間以上身体を洗わないと皮脂がシッカリ積もる。それらを洗い落とすと一気に皮膚を通して酸素が身体に行きわたる(ような気がする)。その皮膚呼吸の快感は言葉に表わせない。もっとも皮膚で呼吸が出来るのは両生類だけらしいから、
オバハンの祖先は山椒魚かカエルに違いない。  
家人や親しい友人たちに「皮膚からの呼吸や、その快感」について口泡とばして説明、2-3週間垢をためてみることを勧めるが、未だ誰も実行しない。