雇用の創出こそが結果を生む

晴れたので、歩いて買い物に行く気になった。町では首都開発公社のお掃除さんが道脇へ掃き寄せた落ち葉が10m毎にうず高い。と言っても精々バケツ2杯分くらいか。その落ち葉を6人がかりで集め回っている。縦横2m弱のナイロン・シートの角ごとに持ち手が4人、両手で落ち葉を拾い上げてシートに入れる人。最後の1人は箒を持って後ろからダラダラと付いているだけ。パキスタンへ来て2~3年くらいのオバハンなら「へん!1人で出来る仕事に6人もかい」と鼻であざ笑ったかもしれない。が、アフガンやパキスタンで長年暮らすと、「雇用」が如何に大切かと解るようになる。  
中村先生もペシャワール会で集められた多大な寄付金を基に、現地の用水路事業に注ぎ込まれた。どれだけ多くの雇用が生れたことか。灌漑用水路はその結果だ。日々、人々は食べて行かねばならない、そのためには現金が要る。雇用の創出が出来て初めてNGOとしても一人前だとオバハンは思う。名ある国際機関の多くのように、お題目は立派で外への声はデカくとも、スタッフの人件費だ、諸々の維持費だと、現地へ落ちる支援金が20%ばかりであってはならないと思う。    
昨夕暮れ、先々週に続いて息子の娘11歳が自分のお小遣いで貧しい人々にナーンを配ると言う。馴染みのアフガン・ナーン屋へ行くと、息子の娘と同い歳くらいの子供たちが何人も居る。当然、学校へは行っていない。すでに1時間半ばかり待っているが、まだナーンが貰えないからもう少し待つと言う。アフガンからの難民が多く住んでいた地域だが、子供たちはパキスタン生まれであろうから、届けを出せばパキスタン国籍になれる。そして小学校は義務教育なので行けるが、行っていないと。こうした子供たちが大人になった時、働く場所は限られてしまう。まだまだパキスタンやアフガンにはこうした子供たちがたくさん居る、雇用の創出こそが支援活動の根幹ではなかろうか。