テロ組織の反発は?

一年中で一番寒さを感じる冬至が過ぎて、あと二週間もしたら陽射しが変わるかと思えば、少し嬉しい。とは言え四月になれば暑さが始まり、半年近い酷暑を耐えるのだが。
酷暑の頃には電気が極端になく、寒い折にはガスがないという状態になって数年だ。こうした生活が首都で続いているのだから、地方ではもっと電気やガスがなく、生活が厳しいことだろう。

貧しければ不平不満が起こって当然だ。貧富の格差はますます広がっている。シャリフ首相の一族は(国会ならびに、州議員だけでも75人)もいるというではないか。地方議員を含めれば一体どのくらいの議員がいて、オコボレにあずかっているものか。 一族郎党にのみ利益が落ちる体制。まぁ、この点は、ブットやザルダリの時代も同じだったし、パキスタンに蔓延る悪弊の一つであって正すことなどは不可能に違いないが。

それらインフラにせよ、悪弊にせよ、根本的なところを改善もしないで、「テロ事件を取り扱う軍主導の特別法廷設置などを盛り込んだ対テロ行動計画を発表」してもなぁ…  
911同時多発テロ以降、アメリカでは反テロのためとして新しい法律を次々に成立させた。その最たるものが、「攻撃を受けそうだと思ったら、先制攻撃が許される」というものであった。
アメリカに同盟国として組み込まれ、パキスタンイスラームを軸に国は2つに割れた。イスラーム原理主義者や過激派と称する神学生たちを、パキスタン政府が過度に締め付けた結果が、今の混乱の元となっているのを、政府は学習していない。力で人の心を押さえ込むことなど出来ないのに。

子供たち150人からが犠牲になった学校襲撃事件を受けた措置として、「テロ事件を取り扱う軍主導の特別法廷設置、テロ事件に関与した者の刑執行を迅速化。さらにはテロリスト養成の温床とされるマドラサイスラム神学校)の規制も実施する」とは、首相の発表だ。
数週間以内に500人の死刑が執行されれば、武装勢力に一部が、さらに反発を強めると想うのに。