武力闘争の不毛

昨日、アフガニスターンに隣接するバローチスターン州やKP州ペシャワール治安の悪化を書いたが、TTP過激派・タリバンと政府の停戦協定が終了していたらしい。だから急にテロが増えたのか・・と納得したくはないが納得。過激派によるテロは、この1年間で665件もと。ペシャワールでは、この48時間で4回ものテロがあり、警官や法務執行者、民間人などの死傷者が20人以上も出ている。中には治安部隊を乗せたトラックを自爆犯が襲ったというのもあり、過激だ。アフガン側の報道ではパキスタンタリバンに疑惑ありと言い、パキスタン政府はテロ増加の背景にはアフガニスターンがあると、はっきり指摘しているから良い傾向ではないな。2006年~2008年頃のムシャラフ大統領時代に比べるとテロは激減している、しかし今また徐々に増えているのが不気味だ。話し合いで物事が100%解決するとは思わないが、暴力行使ではさらに解決を見ることは無いだろうに。周囲に合わせ揉めることなく、目立たず、上から言われれば指示通り・・という日本人の特性から大きく離れたパキスタンやアフガンの人々。いやいや、パキスタンやアフガンの人々に限らず、日本以外の国々の人は自己主張が強い。特に教育が行き届かない地域では、他人の思いを忖度する習慣・学習する機会は僅少であろう。誤解を招きそうだが、武装勢力・過激派にあるのは偏ったイスラームの教えに忠実なだけと想える面が大きい。
教育と言えば・・ユニセフによればパキスタンの不就学児童数は世界トップという。昨夏の大洪水で倒壊した学校は約2万7000校、200万人からの子どもが学校にアクセス出来ていないという。全国的にも児童生徒の8%が衣食無料の宗教学校で学んでいる。10年近く前、修士論文を書くために神学校を巡りインタビューを重ねリサーチに努めていた。一般公立小中学校でも丸暗記の偏ったイスラーム教育であるのに、神学校はいわんや・・各人の正義が異なるとは言え、ロシア・ウクライナも含め武力闘争からは何も産まれない。