テロの犠牲者

ラホールにあるシンクタンクパキスタン平和研究所」が、政府発表や主要メディアの報道を基にまとめたものとして、「昨1年間にイスラーム過激派のテロや戦闘による死者は、3448人に上った」と一昨日、報じていた。
同研究所によると、テロリストの軍などへの攻撃は1306回。このうち一般市民の犠牲は1974人という。1306回っていうと… 1日に4回近いではないか!!! 昨年の死者数は2006年に比べ約1.3倍、05年比では約4.9倍と増加だという。
確かに7月のラール・マスジッド事件以降は、軍や警察関係に対する報復的なテロが目立った。 毎日、毎日、新聞紙面には国内各地で起きているテロらしきものが頻々と報道されてはいた。しかし、これほどまでだとは思わなかった。
パキスタンアメリカによる「テロとの戦い」の最前線にありながら、1日平均10人近くが犠牲になっているなんて… 結果は実に嘆かわしい。

これも昨日の報道だが、「パキスタン政府の発表によると、北西辺境州アフガン国境に近いワジリスタンで、パキスタン政府軍とイスラーム武装集団との和平交渉の仲介をしていた部族長8人が、相次いで射殺された」と。アメリカに協力をすれば必ず報復される…と、肝に銘じた方が良さそうだ。

パキスタン政府軍の後ろには米兵(軍)がいるという、イスラーム武装集団の解釈なのだろう…事実、そうなのだ。
昨日も少し書いたが、パキスタン政府の後ろに米英がある限り、イスラーム過激派(武装集団)との話し合いは不可能に近いだろう。長老(現地のリーダー)たちがどんなに純粋な思いで「和平を」と念じても、イスラーム武装集団から見れば話し合いの仲介に立つ人間はアメリカの手先にしか見られない。
見られなくしてしまったのも911同時多発テロ以降の、アメリカによる失政の一つだろう。