カラチ空港、3度もの襲撃

我ながら呆れるほどの「怠惰な日本での生活」から抜け出し、パキスタンへ戻って来た。  
カラチ空港への武装勢力による襲撃を知ったのは、成田のホテルで。 8日パキスタン時間の夜11時半の襲撃というからには、オバハンが乗る予定のフライトは現地を飛び立っている…。常時、何が起こるのか判らないのがパキスタンだ。だが、なるようにしかならん!すべては神の御心だ…と思いながら早めに成田空港へ到着したら、パキスタン航空のカウンター責任者から、「聞きました? カラチの事件?」

カラチ国際空港への襲撃では、武装勢力は旅客機に向かってロケット弾を発射したという。この日は機内に既に乗っていた日本人もいて、日本の領事館や大使館は大騒ぎだったと聞くが、幸い損傷を受けた航空機はなかったというから、不幸中の幸いかも。 そして襲撃終息発表の数時間後に再び武装勢力による攻撃。 
さらには昨10日も武装した数人が空港近くの治安当局の施設を銃撃と、都合3回もの攻撃で、TTPが犯行声明を出している。

政府は今年に入って武装勢力との話し合いを続けていたが、どちらにも歩み寄れない正当な理由があった。 おまけにナワーズ・シャリフ首相は(どういうわけなのか)武装勢力との全面戦争も辞さない構えだったから、こうした事件に発展するのは不思議ではないかも。
昨日、政府側(パキスタン軍)は「テロリストの拠点9カ所を破壊した」と発表している。政府にとっては一時的な治安の悪化があっても、この機会は待ちに待った武装勢力に対する攻撃時期と考えているかもしれない。
殺し合いは憎しみの連鎖になるだけだが、かといって話し合いも出来ないとなったら、どうするのが良いのか。
武装勢力自身も、つい数日前に武闘派と穏健派が「主導権」をめぐって自分たち自身で血の粛清をしている。

オバハンが乗ったパキスタン航空、成田は予定時間ピッタリに出発。イスラマバード空港にも予定の4分前に到着とパキスタンらしからぬ運行スケジュールだった。イスラマバード空港では何台もの軍用トラックに満載された兵士たちが慌ただしく乗り降り、厳戒態勢。 対して空港にたむろする客引きや出迎えの人々は普段と変わりなく、ノンビリだった。
何事も神のなしたまうこと、ジタバタしても仕方がないと考えれば、心平穏に暮らせるか… だが、この分では武装勢力による報復はどんな形になるのか、何が起こるのか分からない、厳重警戒が必要な毎日だ。
イスラマバードは気合を入れて帰って来た割には暑さはピークに達しておらず、まだ42℃。