パキスタンを良くするまでは死ねない

パキスタン総選挙の投票日は明日11日、選挙活動は9日の午後12時(10日の0時)まで。
最後の選挙アピールは、自宅にいても「こんなにやかましいのは初めて、寝られないわ…」と思うくらいに凄かった。 それが夜12時とともにピタリと静まりかえって、車の音もしない普段の静けさ。いやいや驚いた。12時を過ぎれば選挙違反となるので、ピタっと終わって当然なのだが。

正義党々首のイムラーン・カーンが7日にラホールで高さ4m半の演台から落ち、脊椎の2ヶ所を損傷したというので首都での最後のアピールは急遽中止になったが、党首なしでも正義党の集会は物凄い人出だった。パキスタン人の血は熱い! 選挙戦の終盤で動けなくなった正義党に対する同情を一気に集めた感じ。で、ごく普通の人々が子供まで連れて集会に参加していた。どこの集会でも、普段ならお金で動員されたと想えるような人が多いのに…そういう人は見られなかった。

イムラーン・カーンは病室のベッドの上で「パキスタンを良くするまでは死んでも死にきれない」とメッセージ。
パキスタン人の血は熱いと書いたが、政治家たちは風見鶏、超現実的だ。昨秋は評判随一の正義党へ雪崩を打って入党し、選挙戦突入前には「正義党はどこまでも反政府政党だ」と判断するや、たくさんの人が離党し無所属で出馬した。当選のあかつきには与党となりそうな政党へちゃっかり入るつもりだという…まぁ、それも世渡りではあるが…

ということでパキスタン総選挙活動は終わって、明日を待つばかり。市内は走る車も少なく静まり返っている。パキスタンでは建国以来65年間で3度ものクーデター、約30年が軍事政権だったが、今回はこれでメデタク投票による政権移行なのかな。