大洪水・・・

1929年以来の豪雨だったが、その後は3日ばかり薄日の漏れる空模様だった。しかし一昨日から再び小雨、そして昨日からは結構な降雨になっている。おまけに、まだまだ降りそうな空模様だ。 蒸し暑いが買い物に出られない暑さではないので、小降り雨の合間をぬって野外バザールへ超特急の買い物に出かけたが… いやいや恐れ入った。 雨続きのせいでもあり畑が冠水しているのか、収穫物にも被害が出ているのであろう。トマトは3倍もの値段。じゃがいもやタマネギも5割増し、野菜はいずれも軒並み高いし品薄だ…… あと1週間で断食月が始まるが、こんなことでは庶民の暮らしは成り立たない。

1990年台の初め頃にも、モンスーン明けで100年に1度というような大洪水があった。北部パキスタンに3日間降り続いた豪雨は平野部へ到達してから、約40日間をかけてアラビア海にまで緩々と下り浸水し、インダス河沿いの村々に被害を及ぼした。 しかし、今回の大洪水の方が何倍も範囲が広く被害も大きい。水没した田畑に浮かぶ家畜たちの死体が目に見えて増えて来た(TVの映像から)。 山間部を流れ落ちる大滝のような流水が家屋や大木を飲み込んで行く様には、想像力を逞しくしなくとも肌に粟が立つ。今から平野部への被害はますます増えるに違いない。 現在、わかっているだけで死者は1600人、壊れた家が90万戸、被災者は少なくとも450万人に上った言われているのに。

5年前の大地震で協力的だった、知り合いのパキスタン人たちから連絡が入るようになった。この酷い被害下、NWAは何の支援もしないのかと? もし、何かをするつもりならば何時でも声をかけて欲しい、お金も人も出すからと。日本からも、パキスタンの洪水ニュースを知った人たちからポツポツ、そうした声があがり始めた。しかし、被害範囲が大き過ぎる。おまけに昨今の治安の悪化、いくらパキスタン在住30年で様子が判っているとは言え、どこへでも簡単に出かけられるわけでもない。まずは、我が身や我がスタッフの安全確保が第一だ…
同じ支援をするのであれば、何時も走るカラコルムハイウエー沿いの村々、地震被災地(土砂崩れで困っている)などへとも思う。 轟音とともに河へ落ちていく家々を映像で見ているだけだが、あの分では現地への道路も確保は出来ないであろう。
日々、たくわえのある家は少ない、まずは食料支援だろう。次は医療だろうとは思うが、実際問題として、NWAのような小さなNGOには出来ることなどしれている…この2日、考えているだけで無力感に苛まされている。