大洪水はアラビア海に到達

数日前から時折、空が高くなり僅かだが羊雲が時には浮かぶようになった。蒸し暑さはまだ抜けないが、モンスーンが明けつつあるようだ。 大洪水の先頭水域は海に流れ込み始めた。山岳地帯で降った雨がアラビア海に到達するまでに、今回は35日間というところか… 1991年だったかの洪水では40日余かかったが。
インダス河の全長は3180km、日本列島よりも長大だ(最も川幅の広いところは20km)。流れ込む支流ですら、日本の規模から比べると全てが大河で、1500km前後の支流河が何本かある。大陸の洪水には日本人の想像力を絶する。どんなに言葉を尽くして説明しても、自分の目で見るまでは洪水の規模が日本人には理解できないのではないか…

乾燥半砂漠地帯が多いパキスタン。灌漑農地が全農地の8割以上を占める当国において、最大の灌漑面積を有するパンジャーブ州は、パキスタン全体で生産される小麦、綿生産の約8割を生産している。
パンジャーブとは5つの水(河)と表現される土地だけに、洪水の被害も増幅された。農作物に対する打撃など等、パキスタン経済はこれで5年間の痛手を被ったと言われている。おまけに天災はロシアやパキスタンだけではない。パキスタン経済のみならず、世界的にも小麦をめぐっては、ロシアが干ばつ被害を理由に今年末まで穀物の輸出を停止すると発表。洪水被害に見舞われたパキスタンも、小麦200万トンの輸出を中止することで、世界的に供給不安が高まっているとかで、すでに小麦先物取引が値上がりしていると。小麦の備蓄については、こうした供給不安がないようにと、日本ですら備蓄をしているというが… 来年の収穫が「絶対」だとも言えない近年の天候不順、各国、どういった対応をするのだろうか??

何時も何時も国際社会が助けてくれるわけでもないし…パキスタンも少しは自助努力をすべきだというので、政府も復興に数年を要することを念頭に、農家の保護パッケージなどを考え出したようだ。
また政府は洪水サーチャージ(追加税)として、年所得Rs30万(30万円)以上、中産階級以上の生活者に5~10%の課税を行いRs1000億(1000億円)を。また輸入品に洪水税を2%課すことでRs500億を創出することを検討していると言われている。


我等が自衛隊ドノは… 先月の22日に日本を出発。ようやく昨日くらいから被災者への物資輸送開始と…