水なし2重3重苦

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NWAには洪水支援のための人手がない、資金もない。なんだかんだと悩んでいる間に7月末からの洪水はドンドン被害を拡大して行った。大好きなパキスタンに置いて頂いているオバハンとしては、ついに見て見ぬふりが出来なくなって腰を上げたのが8月半ばだった。 そして経費節減のためにと考えたのが、家から通える被災地ということ。 まずはパキスタン政府へコンタクト、5日間も水に沈んだノウシェラ方面へ偵察に向かい。ノウシェラならば比較的良く知った地域でもあるし、家から片道車で2時間だというので、町の郊外にいる約5000人を対象に活動を開始した。

パキスタン地震直後は酷い裂傷と、それを放置しておいたための化膿。打撲、恐怖によるストレスと睡眠不足。それから1週間もしたら伝染性の下痢、脱水症状などが多かった。 
しかし今回の洪水では、日常的に使える水がないための病気ばかりだ。 先般は学校に避難している約60家族約500人を対象に。きょうのキャンプは国鉄の駅の敷地にテントが200張り(1500人)ばかり。いずれにも3つの水道蛇口があって、それで飲料水のみが確保できている状況だ。早い話が飲み水があるからと、被災者たちは「そこ」に(政府からの許可を得て)避難生活を営んでいる。

シャワーに入る余裕は一切なく、酷い皮膚病も眼病も、下痢も全て充分な水がないことが原因だ。 おまけにイスラーム教徒である彼らは、礼拝のためには特別な清めの儀式が必要だ。目耳、鼻の穴、局部を中心に手足などを丁寧に洗う。一度、トイレに行って不浄の身体になってしまえば、清めの儀式(ウズー)は一からやり直しとなる。 多くが水がないためにウズーが出来ないからと、トイレへ行くことも我慢している。 結果、物凄い数の膀胱炎の患者だ。 また、トイレへ行かずに済ませるために飲むのも控えており、脱水症状で病気を悪化もさせている。水がないために2重、3重の被災生活だ。

NWA最大の支援団体である(参議院議員 田城郁の所属する)JR総連では、大地震の時に続いて多大の支援金をお送り下さる予定だという。有難い!!

1枚目の写真:
国鉄構内の水道から1日分の飲み水を貰う男性

2枚目の写真:
60家族(約500人)に3つの水道蛇口のみ。シャワーをする水もありません。
顔と頭を濡らすだけが精一杯です。