悪循環

イラクに次ぐ世界で2番目の規模だという在パ、アメリカ大使館が増改築を終え、より堅固になって完成。 オバハン自身は内部を見たことがない、しかし家人たちの言によれば「40年前のイラン大使館篭城444日間の失敗経験に、少なくても3年分の備蓄。緊急時の隠れ部屋や『核爆発にも耐えうる』シェルター等なども完成で、戦争になっても大丈夫なシロモノ」と。 首都内でも国際機関の装甲ランドクルーザーを良く見かけるようになった。日本大使館やJICAも何台もの防弾車の導入をと急いでいるとか(先頃までは大使の車のみが防弾車)。

事態は考えている以上の悪化ぶりだが、2000人もの(軍人ではない)米人がパキスタンで駐在、この3ヶ月だけで250軒もの大住宅(600坪)がイスラマバードだけで借り上げられている。 パキスタン人の良識者たちは、「パキスタンアメリカに買い上げられた」と嘆く。多くの国民の思惑とは別方向にパキスタンは走っていく様相で、この調子で行けば、さらにアメリカによる「なんでもあり」が黙認されて行きそうだ。
アメリカに協力的(売国奴的)なザルダリ。パキスタンを守るための意志強固なキヤニ陸軍参謀長。元々噛み合っていなかったのだから…亀裂は広がるばかりだろう。単に広がるだけで済めば良いが、アメリカに背を向けることで「制裁を受ける」はめになり、大きく困窮するのは日々、充分に食べられない貧しい者ばかりだ。結果、治安はさらに悪くなるという悪循環が続く。

アメリカはアフガンとの国境地帯にあるパキスタンの部族地域で、ブッシュ時代から無人機による攻撃をして来た。しかしオバマ政権は発足当初から部族地帯だけではなくバロチスターン州でも軍事作戦を求めていたと。 理由は何であれ、戦線が広がれば難民は天文学的に増える。
国連はパキスタンでの治安の悪化(人的被害の大きさに) プロジェクトを10分の1に縮小する意向と。そうなれば…難民対策などは手薄になる… 

オバマノーベル平和賞を与えた委員会の真の意図を知らないオバハンだから、目の前の現象だけを案じているが、パキスタンにとってオバマはブッシュ以上に危険な存在だ。オバマの平和への取り組みに一瞬の期待をした自分に腹が立つ。