対話による解決

きょうは各社ともに「パキスタン軍が武装勢力と、対話による解決」に方針を転換すると報じている。
パキスタンの新政権は春から「対話による解決」に向け2ヶ月間ばかり努力。その後、軍による武力の後押し?も解決には必要だとして4ヶ月間の掃討作戦。そして再び「対話」による解決に向かおうとしている。ある意味、新政権にとっては「想定通り」の展開なのだろうか。それとも武装勢力タリバーンには勝てないと判断したアメリカの政策転換に添うものか…
武力による解決の結果は、昨夏のラール・マスジッドで証明済みだ。 武力による掃討の後の「憎しみによる連鎖」からの自爆テロ急増を見れば、武力の解決が何ももたらさないのは一目瞭然だ。憎悪には憎悪でしかない。部族地帯に暮らす人たちの美学、「復讐、敵討ち」を、もっと理解すべきなのだろう。かっての日本、武士の世界でも実存していた「美学」なのだから。
身内を理不尽に殺された人の怒りがなかなか収まるまい、それには政府による努力が必要だ。身内が承知をすれば…「命は黄金で贖える」。自爆テロでの報復を考えずに済むような善処を、オバハンは政府に願うばかりだ。

夏からの掃討作戦によって、アフガンとの部族地域では約300万人もの避難民が出ていると報道されている。中にはパキスタンからアフガンへ難民として出て行く避難民もあると言う。確かに多くの避難民が出ているが、300万人とはチト大げさだとも思える。 しかし、北西辺境州内だけではなく、首都近郊にまで避難民のテントが見られるようになっている。
治安の悪化、世界経済の悪化等など、パキスタンでも経済状況の急激な悪化は甚だしい。そして良くなる見通しも極少だ… 掃討作戦によって出てきた避難民に対しての、充分な支援が出来るとも思えない。 イスラーム的な発想では、すべて神の御心として受け止める「運命論」とは言え、辛いものがある。



マリオット・ホテル爆破の容疑者4人が逮捕されたと。あの大爆破から、はや1ヶ月になるのか…。しかし、新聞に載っていた容疑者?の写真は不思議なものだった。
早い話がパキスタン人の多くには「人権」なる意識が薄い。容疑者であっても顔はむき出しが普通?だが… 新聞に載っていた容疑者には目だけ出した白布が被せてあった。何時からパキスタンの警察はこのような配慮をするようになったのであろうか?? 治安当局は4人の背後関係を部族地域で活動するイスラム過激派の犯行と見ているというが、政府発表の胡散臭さ…。