国際選挙監視団

(現在パキスタン時間で午後4時)後1時間ばかりで投票が終わる。昨日、一昨日と現職候補者が殺された地区では投票を延期するが、いま現在は大きな混乱が報道されていないようだ。TVでインタヴューを受けるムシャラフの顔はむくみ、意気沈滞気味。

イスラマバード市内の各地区投票所前では主要政党の仮設テントが設置され、それぞれに支持者が詰め掛けている。支持者のためのテントというより、投票を依頼した人が自分たちの党に票を入れに来るか、どうかを見張るテントだともいう。田舎では投票所の前で盛大に飲食も振る舞われるから、それを目当てに投票に行く人もあると…  PPPのテントには多くの人が詰めかけ、自転車マーク党のテントには人が少ない。

国際選挙監視団員は2人で1組か? きょう1日で10ヶ所前後を廻る。それには護衛の警察官が4~5名、監視団が投票所へ到着する直前にはレンジャー部隊がトラックで乗りつけ、兵士約50人が通行人に機関銃を向け投票所の周囲に展開する。 同時に投票所前に設置していた各政党の仮設テント内の机までが撤去され、集まっていた有権者も蹴散らされてしまった… 選挙の主役は国際選挙監視団か??
車で投票所廻りをして来たオバハンも機関銃を向けられた… 北西辺境州の投票所前には、ロケットランチャーを肩に構えた民兵もいて(新聞写真)笑えたが、「抑止力だから」と言われてみれば、なんとなく納得。

AFPのニュース、「ムシャラフ大統領(パキスタン与党)が選挙で勝てなかったら、国際テロ組織アルカイダタリバーンと戦う国際社会にとっては利益となると専門家らは予測分析している」http://www.afpbb.com/middle/173との記事。
その主意は、もし野党が選挙に勝ちムシャラフが退陣したら、アメリカ寄りの故ブットの「テロとの戦い」を推進するとの言葉が生きて来る。選挙で選ばれたPPPは国民の支持を得ているとして、国際社会にとって利益があると言いたいのであろう…

「政治評論家でコラムニストのShafqat Mahmoodが選挙で選ばれる正当な政府ならば、ムシャラフ政権である限りはありえない『テロとの戦い』への国民の支持を獲得しうる」とも報道されていたので、何人もに聞いてみたが、多くの国民はそこまで考えてもいないし望んでもいない。望んでいる人にも出会わなかった…

テロとの戦い」は、アメリカに押し付けられたパキスタンが直面している最大の問題かもしれない。しかし、国民の大半である穏健なイスラーム教徒であるパキスタン人たちは、欧米の価値観や一方的な民主主義の押し付けに反発を感じ、原理主義者たちの言い分により理解を持っている。また北西辺境州の人々の多くは、タリバーンにシンパシーを持っている。

昨17日の米紙ワシントンポストの週末マガジン・パレードでは、「世界最悪の10大独裁者」の順位を発表したと。10大独裁者だけではなく、公平な目で10大テロリストを選べばブッシュもその中のトップクラスに入るだろうに…