与党とイスラーム政党が惨敗

総選挙には、息子の知り合い何人もが出馬(全員当選)。一晩中、TVの開票作業を見守り、疲れたぁ~~ 
事務所スタッフの多くも一晩中、TVの前にいたようだ。

選挙だけは蓋を開けるまで分からない、特に「不正」がまかり通る途上国では何が起こるか分からないから緊張と興奮、眠いのに眠れずTVの横でゴロゴロしながら朝を迎えてしまった。長年パキスタンに住んでいるだけで、オバハン自身にはただの1票もないし、身内の誰かが選挙に出ているわけでもないが、今回の選挙は目が離せなかった。

それに、TVで開票作業を見守るのも悪くはなかった。新しいシステムの導入で、開票速報が次々に掲示され各選挙区での様子、当選者予測が立てやすいこと。以前よりは不正をし難いシステムにはなったと思う。
ブット元首相のPPPや、元首相ナワーズのPMLNが与党候補者を圧倒していたにもかかわらず、最終的には与党候補者が当選しているところなどは、なんとなくアヤシイと思えたし……
国際選挙監視団は投票当日だけではなく、開票作業をも監視するべきではないのか?

選挙結果は野党の圧勝。どこかのシンクタンク調査のPPPが50%近くというのは外れたが、与党惨敗は当たった。PPPのザルダリに投票したくない人がナワーズ派を押し上げたようだ。また与党だけではなく、前回は大幅に躍進、第一野党だったイスラーム政党が40数席から7席へと惨敗。
ムシャラフによって6年間も獄に繋がれたブット元の夫ザルダリ。7年間もの刑務所暮らし、毎日獄守によって1発殴られていたナワーズ元首相(ムシャラフはナワーズの自尊心を壊すことを目的としたと)、その後の国外追放。同じ目に遭った多くの側近たち… 
今から彼らによる与党大物たちへの報復も始まるのだろう。中には選挙で敗北が決まったとたん、早々と海外逃亡をした与党候補者が何人もあるというから、報復の様が想像できる。

ブット元首相の夫でPPP共同総裁のザルダリと、元首相のナワーズが連立で政権というが、元々マニフェストも立場も違う。しかし何とか妥協点を見つけ、パキスタンの舵取りを上手くしてくれるようにと祈っている。
また、TVでは名コメンテーターと言われる人が「野党が政権を取ることが決まった。これを機にパキスタンテロとの戦いを一から考え直し、取り組む必要があります」と言っていたが、これは重大なことだ。

民放各TVは、野党勝利の大勢が決まったころから、自由な報道が出来なかった恨みを晴らすとばかり、投票日までの慎ましさを覆し、ムシャラフ退陣を声高く言い始めた。
しかし、「ムシャラフ大統領の報道官は、大統領への辞任要求を明確に拒絶し、同大統領はどのような新政権が誕生しても共に働く意欲を示している」と報道されている。しかし、選挙で勝った野党は、大統領の弾劾に向け行動するだろう…