連立政権の行方……

本日は金曜礼拝日、ただ今の気温は25℃。高曇りの穏やかな日だ。
その中を久々に救急車と警察の車がサイレンを鳴らし、最高裁判所方面からわが家の前を西に向かって走って行く。

ムシャラフ政権によって軟禁が続く、チョードリー前最高裁長官らの解放を求める弁護士や人権活動家らのデモが、昨日に続き行われるようだ。非常事態宣言が解除され、ムシャラフが軍服を脱ぎ軍を統率する力がなくなったせいか?人権活動家や弁護士たちの活動は激しくなりそうだ。
ムシャラフの大統領就任は違憲、違法だ」とする、チョードリー前最高裁長官は正しいと思う。しかし、与党が惨敗し、軍がムシャラフ離れをした途端に罷免された長官や、判事たちが最高裁に復職するという交代劇は目を剥くばかりに物凄い…

選挙によって選ばれた連立政権が、独裁的だったムシャラフ大統領弾劾に必要な3分の2以上の議席獲得を目指すこと。また憲法修正(大統領に政治的権限を与えていなかった73年当時の憲法に戻す)などは、この国が民主主義国家として進むためには、今すぐにも必要だろう。しかし、1947年の建国以来、何時も何時も「とりあえず」というやり方で国家を運営してきたパキスタンだから… この連立政権が長く続いて機能するとは思えないのだが… 

総選挙で与党を破りパキスタン下院で第1党と第2党になったPPPと、PML(N)が連立政府を樹立することで原則合意したのは結構だ。だが新首相は人民党から選出されるというではないか!
ふぇ~~~~~~ ブット元首相の暗殺というドサクサに紛れ、パキスタンへの帰国を果たした夫のザルダリが総裁代行というだけでも多くの国民は不信感を持ち、PPPの票がナワーズ元首相派に流れたというのに。

ザルダリはブット政権下には投資担当相を務め、当初は1割の賄賂を求めることから「ミスター10%」と呼ばれたが、たちまち「ミスター20%」となり、ブット政権2期目の末期には「30%らしい」とまで言われ、ブット政権を汚職にまみれさせ、その折に蓄財した莫大な金はスイスなどにあるという。
ブット政権が倒れた後は政府から刑事告発をされ、6年間特別刑務所にいた。それが、ブット元首相ともどもムシャラフによる国民和解令とやらでチャラになるのか???