ブット元首相の夫、ザルダリが大統領…

大統領選挙まで後2日、まさかと思っていたことが現実になる。
大統領候補、ブット元首相の夫ザルダリはパキスタン随一の賄賂要求男(だった)。 PML(N)を率いるシャリフは知恵袋であるパンジャーブ州知事の弟が居なければ、何も出来ない木偶の坊というのが、パキスタン国民の一致した見方だ。
総選挙が終った後、ザルダリは敵であったシャリフにスルスルと近寄り揉み手をして、「何事もシャリフ旦那の指示に従いますよ」とアタマを低くして懐に飛び込んだらしい。ザルダリ VS シャリフでは役者が違いすぎると…。  

政権を握るために、そして大統領権限の削減を共通目標として、さらにはムシャラフの追い落としではザルダリとシャリフは連立。 結果、ムシャラフの追い落としが完了してみれば、シャリフ派のマニフェストである最高裁判事復権は宙に浮いた感じだ。 今になってシャリフはザルダリにしてやられたと、臍を噛んでいることだろう。シャリフの知恵袋である弟も、いずれパンジャーブ州知事を追われることになろうし、何もかもがザルダリの手の内に握られて行く。

パキスタン連立政権の与党第1党PPP(パキスタン人民党)は、今後も大統領権限を削減せず、首相の解任権や議会の解散権などを温存する方針を決めたと報道されている。 つい先日まで、ムシャラフが大統領であった時は、大統領権限の削減をあれほど喚きたてていたというのに、何としたことか! 心ある国民は納得しまい。

ここのところ激しさを増している部族地帯への攻撃、断食期間中は幾らか沈静するのかもしれないが、終れば倍する攻撃になろう。予兆は数々ある。非常事態宣言の悪夢が再びやって来るのかもしれない…