アルカイダやタリバーン掃討作戦

今朝はどの新聞も1面トップで、昨日、北西辺境州ダッラの町で展開された政府軍によるタリバーン掃討オペレーションを報じている。ペシャワールから南へ1時間、ダッラの町は僅か3~4kmの街道沿いに1000軒くらいの、家内製作による銃器工場があり、世界中の大小様々な銃器の模造品を作っている。ここではmade in Japanのボールペン型ピストルも作られている。ペン型ピストルは、もちろん字も書けるし至近距離なら人も殺せる。

そもそもの発端は、政府軍が5台のトラックに山積みにした武器弾薬をダッラの近辺でタリバーンに奪い取られたため、取り返しだとかで戦車や攻撃ヘリコプターまで出動しての大オペレーションだった模様。ただ、面白いというか面白くないというか、政府発表とタリバーン発表が違いすぎること。
政府発表は政府軍の死者2名、タリバーン側35名。しかし、タリバーン発表によれば政府軍兵士30人を拉致、19人の犠牲者… 政府軍兵士がタリバーン側に数十人の単位で拉致されるのは、今までにも何度かあり、今回に限ったことではないが、お粗末だ。このオペレーションによってダッラ近郊地域からは2万5000人が避難。

うがって見るなら、先日の米国防長官談話報道の布石ではないか? 曰く「パキスタン政府からの要請があれば、(国際テロ組織)アルカイダ掃討のために、米軍を派遣する準備がある」と述べ、パキスタン派遣に前向きな姿勢を示したと。
対してムシャラフは昨25日、「国民感情が許さない。米軍は我々以上の成果は上げられない」と拒否したというが、ムシャラフの言うことは日々、コロコロ変わるのでな~~んも信用できない。

最近発表された12月期のアメリカの失業者数は13%を超えているという。 さらには(良くは知らないが)サブプライム問題とやらで、損失補てんのためにシティグループだったかが、アブダビ投資庁から10%の利子で750億$(8兆円近い)を借り入れたという。10%もの金利を払わなければ借金が出来なくなっているようなアメリカに、他国で戦う力が残っているとも思えない。しかしメディア操作は米英のお手のもの、パキスタン(アフガン)やイラクへの派兵、アルカイダタリバーン掃討作戦…というアドバルーンをポンポン上げて当事国を脅かし、揺さぶりをかけ、圧迫するのが狙いなのか?