食料カードの配布

昨秋からの諸物価値上がりに付き、ようやく政府は対策を講じようとしている。政府が対策を講じなければならないほど、食べられない人が増え、不穏になっているということだ…

主食の小麦粉がマーケットで足りなくなったのには、つい先ごろまで首相だったアジーズが、小麦を1トン200$で輸出にまわし(結果、いっぱい儲けたらしい)、マーケットで足りなくなったからと今度は500$で輸入をしているのが問題になっている。他、いろいろあって告訴され、アジーズは総選挙にも立候補出来ていないという。

ジーズも、首相就任直後の施策では大いに評判を取った。中でも破綻しかけていた国家財政を立て直した功は大きい。昨年度前期までの経済成長率は8%、全国的には中産階級も増えた。しかし、在任が長くなれば、いずれの指導者も腐るようだ。水は一時も澱むことなく、流れ続けないと腐るのと同じか…

で、政府は10日間の調査期間を設け、貧しい人々のリストアップに励むと。結果、貧しい人々に対して、食料が安く買えるカードを2月8日より配布すると発表している。貧しい人々にとっては大変結構そうな施策だが、これにも僅かでも賄賂を渡せる人と、まったく渡せない極貧とでは差がつくのだろう。

国民の50%が1日1$以下で暮らしているパキスタンイスラーム教徒にとっては、神によって定められた「運命」である以上、貧乏は恥ではない。
しかし誰かが得をし、だれかが損をするという、施策による不公平での貧しさは、大きな反発を呼ぶ結果になるだろう。痛し痒しだ…