開き直ったムシャラフ大統領

霧雨が本格的な雨になり、寒さが緩んだ。イスラマから車で1時間ばかり、避暑地のマリーでは雪になったと。雨が窓ガラスや樹木の埃を洗い流し、空気も澄んだ。

さて、首都の空気は澄んだが、ブット死亡の原因究明と調査は不透明。
調査にやって来たロンドン警視庁の面々には、独自の調査権が与えられていないと言われていたが、今朝はムシャラフによって独自の調査権が与えられたとの報道があった。
とはいえ、イギリスからの調査チームが独自で町中を動くことはあり得ない。おまけに調査に同行する現地調査員か警察が、イギリスからの調査員に判らないよう、調査対象者対して現地の言葉で事前に答えを誘導することも可能だ…… 真相を究明するなら、最終的には遺体を検分するしかないだろう…

ムシャラフアメリカのTV番組で、インタビューに答え「ブット元首相は自動車から外に身を乗り出し立っていた。責めを受けるべきなのは元首相であり、他の誰でもない。事件の責任を負うのは元首相自身」だと述べたと。
確かにブット元首相はテロの発生時、ゆっくりと動く車のサンルーフから頭を外に出していた。ブットがパキスタン政府の警備に不信を持ち、不安だと思っていたのなら、実に不用意な行動だと責められても仕方がない一面もある。初代暫定首相のリアカットも、ブットと同じこの場所で暗殺されている。状況は、その時と同じように、テロ犯は常に後ろを振り向き、誰かからの指示待ちだったと聞く。黒幕はいったい誰なのか?

幾つもの暗殺脅迫を受けていたブット元首相、その警護に政府が全力を投じていたか、どうかは知らない。ただパキスタンでは、並ばない、規則通りに動かない、号令をかけてもその通りに動けない一般群集の集まる場所での警備に、万全はない。警備は不可能だったと言い切れる。

パキスタンへの帰国前から、数々の脅迫があり帰国パレードの最中でも2つの自爆テロ、140人からが亡くなっていることを思えば、帰国さえしなければこの厄災はなかったわけだから…やっぱりアッラーの御心では…

しかし、イザ!!事あるごとにバ~~ンと「開き直る」ムシャラフ(良し悪しは別にして)なかなかの大統領だ…ワ。
そして今や悲劇の夫になったザルダリは「自分の心の中を世界に知ってもらいたい」と心中吐露をし始めた。