ムシャラフ再選 弾圧はますます厳しい

先月実施されたパキスタンの大統領選挙で、軍職を兼任したまま立候補したムシャラフ憲法に違反しないとして再選が決まった… ムシャラフは近々陸軍参謀長を辞職、文民大統領として宣誓すると。
本人自身が、数々の憲法違反を自覚し、平気で口にしているというのに、なんとも弱腰な最高裁だ。ムシャラフに反対する判事はすべて解任、僻地へやられるとあっては家族のためにも反対と言い難いのかも。しかし、それでは「法」は誰が護るのか?

また過日の報道では、拘束された弁護士、政治活動家、人権活動家など3千数百人余が釈放されたとされている。しかし、現実は相当異なるようだ… 
風が変わった?と思われた先週末頃より、1月の総選挙に立候補しそうな野党幹部は拘束され、釈放の見込みは薄いという。PPPなどは、今のままでは選挙戦を戦えず、ボイコットでしか対抗するしかないのでは?などと言われるようになっている。
「政府は総選挙を控え、すべての政党に平等な選挙活動の場を与えるため、善意のしるしとして釈放を行った」とAFPなどでも報道されているのだが。
PPPにしても、かってのスーパースター「パキスタン正義党」を率いるイムラン・カーンにしても、党の看板(目立つような人間)については、政府は釈放しているようだ。だが、現実の選挙戦の手足になる中堅幹部が根こそぎ拘束されているというから、事実上の選挙戦は厳しいらしい…

国内の報道関係者への弾圧も、目を覆うようだ。
外国の報道陣についても、英国人の3人が国外追放になったと報道されたのみだが、現実には多くの報道陣が国外追放になっているようだ。外国人のメディアを宿泊させているゲストハウスなどには調査の手が入るようになっているという。